【ドイツ杯(DFBポカール)決勝】バイエルン対フランクフルトに学ぶ日本代表の戦い方

 ドイツ杯(DFBポカール)決勝。バイエルン優位の大方の予想を覆し、フランクフルトが制した!

 試合を観戦していて思ったのは、フランクフルトの取った戦術が、ロシアW杯での日本代表の戦い方に参考になるのでは?ということだ。

 バイエルンミュンヘンには、ポーランド代表のレバンドフスキ選手、コロンビア代表のハメス・ロドリゲス選手といったW杯本大会グループリーグで対戦する相手に勝利したからではない。

 私が注目したのは長谷部選手の起用方法だ。日本代表の戦い方のヒントとなり、W杯でグループリーグ突破するための可能性が少しだけ見えた気がした。

 この試合を踏まえて考えた「日本代表のロシアW杯モデルのフォーメーション」についてお伝えしたい。

日本代表フォーメーション:4-1-4-1

       大迫勇也

原口元気 香川真司 宇佐美貴史 本田圭佑

       長谷部誠

長友佑都 槙野智章 吉田麻也 酒井宏樹

       川島永嗣

【交代枠】
・乾貴士
・岡崎慎司
・浅野拓磨

※選手名敬称略

編集長の視点

 名付けて「長谷部式フォーメーション」

 フランクフルトがバイエルンを相手に採用した陣形。

 1点リードの後半8分に同点に追いつかれてしまい、そこからバイエルンの猛攻に耐える時間帯が増えた時に長谷部選手がアンカーの位置からディフェンスラインに吸収され、5バックの陣形を作った場面だ。

 ディフェンスを1枚増やしたことで、その後の決定的な場面を長谷部選手がクリアすることで勝ち越しゴールを許さなかったシーンもあった。ハイライトを見返しても何度もその場面は出てくる。

 W杯本番では、完全に引いて守った状態でも得点を奪われるシーンはある。特に引き分け以上が望まれる初戦において、スコアレスドローでOKというプランでは先制されると厳しくなる。

 日本代表でも時間帯によっては「4-1-4-1」から「5-4-1」に移行する。中盤の4枚は両サイドハーフがボランチの位置まで下がって守備をする。守備重視でも本田選手のキープ力と原口選手のドリブル力で、中盤の混戦から抜け出しカウンターを仕掛ける意識を持つことが大事になる。

 フランクフルトはこの試合、前線のプレスからボールを奪ってショートカウンターで先制ゴールと勝ち越しゴールを奪った!攻撃のカタチは縦に速く、いたってシンプルなカウンターサッカーだった。

 日本代表でそれと同じ攻撃をするのは、前線のメンバーを見ても現実的でない。ペナルティエリア付近で、ショートパスを繋ぎながらワンタッチパスで崩していくパターンが定番となりそうだ。ただし、中盤からのショートカウンターで一気にゴールを目指す攻撃パターンも準備しておいた方がよい。

 ヨーロッパのサッカーを観ているとJリーグと比べて、中盤でボールを奪って攻め上がるスピードが全然違う。そこからペナルティエリア近くまで侵入すると最後はシュートで終わることの方が多い。

 Jリーグで日本人選手の多くは、周りの上がりを待っている印象を持っている。結果として相手のディフェンスが戻ってしまい、カウンターが失敗に終わるケースは多い。シュートも打てずパスカットされて、カウンターの仕返しをされるケースも多い印象だ。

 「縦に速いサッカー」という言葉だけ見れば、前線にとにかく早くボールを蹴っるイメージを持っている方もいると思うが、そうではない。

 「縦に速いサッカー」の本当の意味は、中盤でゆっくりボールを回すくらいなら、選手1人1人がスピードを上げて攻めろ。だと捉えている。速攻のカウンターサッカーとは似て非なる戦術である。

あとがき

 長谷部式フォーメーション「4-1-4-1」を採用するなら、キャプテンマークは吉田選手がつける方がチームとしてベストだと考える。

 長谷部選手を中心にしたフォーメーションなので、キャプテンの仕事までピッチ内で行うとなると試合中のタスクが多すぎて、チームとして機能しない可能性がある。

 チームをまとめるのは長谷部選手に継続してもらいたいが、ゲームキャプテンを吉田選手にすることで、長谷部式フォーメーションは完成する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です