日本代表:2018ロシアW杯特集(5)日本代表は南米チームに弱いのは本当か?

 ロシアワールドカップに向けて、サッカー関連のメディアはこれからどんどん盛り上がっていくだろう。FOOTBALL NOTEもその1つだ。これまでは1月時点でのW杯に行く23人を予想したり、グループリーグでのFOOTBALLNOTE式フォーメーションを上げてきた。

 次の企画のためいろいろなリサーチをおこなっていた矢先、1つの不吉な情報をつかんでしまった。それは「日本がW杯で決勝トーナメントに進んだのは、グループリーグで南米チームと対戦しなかった大会だけ」というものだった…少し気になったので調べてみることにした。

日本がW杯で決勝トーナメントに進んだのは、グループリーグで南米チームと対戦しなかった大会だけ?

まずはW杯での南米チームとの戦績について調べてみた。

【W杯/グループリーグ】

W杯 対戦相手 スコア グループリーグ
2014ブラジル コロンビア ●1-4 第3戦
2010南アフリカ 対戦なし
2006ドイツ ブラジル ●1-4 第3戦
2002日本韓国共催 対戦なし
1998フランス アルゼンチン ●0-1 初戦

 

【W杯/決勝トーナメント】

W杯 対戦相手 スコア グループリーグ
2010南アフリカ パラグアイ ●3-5 決勝トーナメント
(P.K.) 1回戦

 W杯での南米チームとの対戦成績は0勝4敗。
 グループリーグで南米チームと対戦したフランス、ドイツ、ブラジルの3大会では、グループリーグで敗退している。「日本がW杯で決勝トーナメントに進んだのは、グループリーグで南米チームと対戦しなかった大会だけ」というのは確かだった。

 2018年のロシア大会はグループリーグ初戦で南米のコロンビアと対戦。現行ルールになった1998年フランス大会から、グループリーグ初戦に敗れたチームが決勝トーナメントに進出する可能性は8.7%…というデータもある。日本代表にとって初戦が大一番となる。

 1つの不吉なジンクスを出してしまったこと…サポーターの1人としてツライ。

W杯以外での公式戦や親善試合の結果について

 さらに日本代表は南米チームに弱いというデータがある。南米チームに弱いのはW杯の時だけだと思いたくて、2017年11月から2002年11月までさかのぼって、日本代表がコンフェデレーションズカップや国際親善試合での南米チームとの戦績を調べてみた。

【ハリルホジッチ監督;1戦1敗】

年月日 対戦相手 スコア イベント 場所
2017年11月10日 ブラジル ●1-3 国際親善試合 フランス

【アギーレ監督;3戦2敗1分】

年月日 対戦相手 スコア イベント 場所
2014年10月14日 ブラジル ●0-4 国際親善試合 シンガポール
2014年9月9日 ベネズエラ △2-2 国際親善試合 神奈川
2014年9月5日 ウルグアイ ●0-2 国際親善試合 北海道

【ザッケローニ監督;6戦2勝3敗1分】※FIFA主催大会/コンフェデ杯:1戦1敗

年月日 対戦相手 スコア イベント 場所
2013年8月14日 ウルグアイ ●2-4 国際親善試合 宮城
2013年6月16日 ブラジル ●0-3 コンフェデ杯 ブラジル
2012年10月16日 ブラジル ●0-4 国際親善試合 ポーランド
2011年6月1日 ペルー △0-0 国際親善試合 新潟
2010年10月8日 アルゼンチン ○1-0 国際親善試合 埼玉
2010年9月4日 パラグアイ ○1-0 国際親善試合 神奈川

【岡田監督(第2次);5戦1勝1敗3分】

年月日 対戦相手 スコア イベント 場所
2010年2月2日 ベネズエラ △0-0 キリン杯 大分
2009年5月27日 チリ ○4-0 キリン杯 大阪
2008年8月20日 ウルグアイ ●1-3 国際親善試合 札幌
2008年5月27日 パラグアイ △0-0 キリン杯 埼玉
2008年1月26日 チリ △0-0 国際親善試合 東京

【オシム監督;2戦1勝1分】

年月日 対戦相手 スコア イベント 場所
2007年6月5日 コロンビア △0-0 国際親善試合 埼玉
2007年3月24日 ペルー ○2-0 国際親善試合 横浜

【ジーコ監督;9戦1勝5敗3分】※FIFA主催大会/コンフェデ杯:2戦1敗1分

年月日 対戦相手 スコア イベント 場所
2006年3月30日 エクアドル ○1-0 国際親善試合 大分
2005年6月22日 ブラジル △2-2 コンフェデ杯 ドイツ
2005年5月22日 ペルー ●0-1 キリン杯 新潟
2004年8月18日 アルゼンチン ●1-2 国際親善試合 静岡
2003年6月22日 コロンビア ●0-1 コンフェデ杯 フランス
2003年6月11日 パラグアイ △0-0 キリン杯 埼玉
2003年6月8日 アルゼンチン ●1-4 キリン杯 大阪
2003年3月28日 ウルグアイ △2-2 国際親善試合 東京
2002年11月20日 アルゼンチン ●0-2 国際親善試合 埼玉
[参照サイト] https://www.nikkansports.com/soccer/japan/data/halil_japan.html

 南米のチームとは26試合行い、5勝12敗9分(2018年1月調べ)だった。そのうちFIFA主催の公式戦(コンフェデレーションズカップ)では2敗1分。

 勝率はわずかに19%。勝率の中に引き分けを含めても54%に過ぎない。国際親善試合でこの数字だ。

 ちなみにW杯、コンフェデレーションズカップといったFIFA主催大会における南米チームとの対戦成績は「0勝6敗1分」という目を覆いたくなる数値が出てきてしまった。

あとがき

 今回この記事を掲載してよいのか非常に悩んだ。しかし、これはあくまでロシアW杯本大会までの過去のデータを持ち出して行った仮説と検証に過ぎない。現在は不利なデータであっても未来は変えられるので、初戦コロンビアに勝つか引き分けるかで勢いに乗ってほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です