もし、あなたがロシアW杯でサッカー日本代表と戦うチームの監督になったとして考えてみてほしい。
あなたならどういった戦術を用いて日本代表チームと戦うのだろうか。
今回のシミュレーションを通して、サッカー日本代表を丸裸にしようと思う。これはチームの欠点を明確にするのが目的ではない。短期間で新しい日本代表チームを作る1つのステップとして必要な作業だ。
サッカー日本代表の概要(2018年3月)
※選手名敬称略。
※予想先発をベストメンバーで構成。
基本フォーメーション
予想フォーメーション:4-3-3
大迫勇也
原口元気 本田圭佑
香川真司
山口蛍 長谷部誠
長友佑都 槙野智章 吉田麻也 酒井宏樹
川島永嗣
交代枠の使い方を予想
前半から飛ばしてプレーしてきた原口選手に代わって、乾選手か中島選手の投入。運動量の落ちてきた長谷部選手に代わって、中盤でボール奪取に優れて走れる井手口選手を投入。ここまでで交代枠を2つ使用。
最後の1枠は状況にもよるが、今回はテーマは『サッカー日本代表の倒し方』なので、日本代表がリードされている場面で想定する。その場面なら点を取るために前線の選手を投入ということで宇佐美選手または岡崎選手の投入と見る。
以上、仮説の設定を作ったところで、私の考えた日本代表を倒すための戦略案をご覧いただきたい。
日本代表を倒すための戦略案
※あくまで仮想シミュレーションなので、選手の能力値は日本代表選手と同じ程度として考えてください。
採用フォーメーション:3-4-1-2
【CF】 【CF】
【OMF】
【CMF】【DMF】
【LWB】 【RWB】
【CB】【CB】【CB】
【GK】
用語説明
【GK】 ゴールキーパー
【CB】 センターバック
【LWB】レフトウィングバック
【RWB】ライトウィングバック
【DMF】ディフェンシブミッドフィールダー
【CMF】セントラルミッドフィールダー
【OMF】オフェンシブミットフィールダー
【CF】 センターフォワード
陣形の説明
センターバックの高さは日本代表の平均身長くらいの選手を3人配置。真ん中の選手は基本リベロでプレー。状況によってはアンカーも出来る選手。
LWBが左足で精度の高いキックが出来る選手、LWBは対人守備が得意な選手を起用。中盤の2枚(CMFとDMF)には走り負けないスタミナのある選手を起用。CMFにはキックの精度の高さも求める。トップ下にはチーム1のファンタジスタを起用。
フォーワードには、ポストプレイヤータイプの選手と俊足フォワードタイプの選手をそれぞれ配置する。
守備の決まり事
大迫選手を起点にして攻撃のスイッチが入るのでまずはそこを自由にさせない。そのためにセンターバック2枚で対応。厳密にはセンターバック1人をマンマークにして、もう1人はサポートのイメージ。
本田選手を自由にプレーさせると危険なので、ボールが収まったら素早くチェックにいく。中央のバイタルエリアでプレーされると日本の攻撃のカタチを作らせてしまう。なるべくサイドに追いやってプレーの選択肢を限定させたい。
香川選手は中盤の底にポジションを取っているとそこまで危険視しないが、ペナルティエリア内に侵入されると、我々の失点のリスクが高まってしまう。最後の最後で仕事をさせないように常にどこにポジションを取っているかで柔軟な対応をする。
酒井選手、長友選手の両サイドバックのオーバーラップにも注意が必要だ。特に日本のストロングポイントである左サイドは原口選手と長友選手と連動してくる。
さらに香川選手まで絡んで3人になると簡単には対処できないだろう。その際にボランチは必ずサポートに回ること。RWBには、試合を通してオーバーラップの回数はなるべく少なめで守備重視でプレーすること。
我々の右サイドは、あえてサイドの深いエリアまでの侵入されるのは今回ばかりは良しとする。だが、センタリングを簡単に上げさせないように最後まで体を張ること。ドリブルでの切り返しからペナルティエリア内への侵入は防ぐこと。中に入ってくる人数は少ないから、フリーにだけにはさせない。
攻撃が停滞すれば、日本はパス回しに終始する時間帯が増える。その時は無理に追わなくて良い。ブロックを作ってスペースを与えないように陣形を整える。ミドルシュートはそこまで警戒しなくても良い。
中盤での安易な横パスが出る瞬間があるので、そこを見逃さずに積極的にボールを取りにいくこと。日本の中盤からのパスの展開にはやや難ありと見ているので、中盤のキープレーヤーである長谷部選手がボールを持った時は積極的なプレスをかけてボールを奪うこと。
攻撃の決まり事
日本の左サイドから攻撃をブロックすることができたら、足の速いフォワード選手を日本の左サイドに走らせてカウンター。
日本のボランチ1枚とセンターバックは残っているので、こちらは2トップを組むもう1人のフォワード、トップ下の選手3人で3対3の状況を作り出し、一気にシュートまで行くこと。中途半端にパスミスしてボールを奪われるくらいなら、最後はシュートで終わること。
我々の左サイドを攻撃の起点とするため、左サイドのWBには少し高めの位置でプレーしてもらう。ピッチをワイドに使って、ボールの取りどころを明確にさせない。ボールを持つ時間が長くなったら、LWB、OMF、CMFの3人で連動して日本の右サイドから崩すこと。
攻撃時にボールをあまり止めない。カウンターの時は、出来れば3タッチ以内で次のプレーに移行できるようにする。
攻撃が停滞したら、ディフェンスラインを上げてコンパクトの陣形を保ち、攻撃のチャンスを伺う。
ポストプレイヤータイプの選手にタテパスを入れて、セカンドボールを必ず奪い、バイタルエリアからペナルティエリアの中への侵入を繰り返すこと。
セットプレーのキッカーは、OMF、CMF、LWBの3人。誰が蹴るからは状況によって選手の判断に任せる。PKはOMFの選手が基本だが、選手の判断で変更しても良い。
選手交代、フォーメーション変更
[交代枠の3つの使い方]
1、点を取るためにフォワードを投入。
2、逃げ切りのために、ボランチまたはセンターバックを投入。
3、負傷交代またはイエローカードなどの有事に応じて。
をベースに試合の流れで判断する。
[フォーメーション変更]
(リードされている場合)
もし先制点を決められた場合でも、前半は1点ビハインドまではOK。後半からCBのリベロをアンカーに上げ、WBをサイドバックのポジションに下げてフォーメーションを4-4-2に変更。
<フォーメーション:4-4-2>
【CF】 【CF】
【OMF】
【CMF】【DMF】
【DMF】
【LSB】 【RSB】
【CB】【CB】
【GK】
中盤に人数をかけて主導権を奪って、一気に逆転を狙う。これでも得点を奪えない時間帯が続けば、ラスト15分でボランチ1枚削って、フォワードの選手を投入し4-3-3に変更。
<フォーメーション:4-3-3>
【CF】【CF】【CF】
【OMF】
【CMF】【DMF】
【LSB】 【RSB】
【CB】【CB】
【GK】
(リードしている場合)
後半残り15分、1点リードしている状況なら、フォワードを1枚変える。俊足タイプの選手をカウンター用に残したいので、交代はポストプレイヤータイプの選手。交代で入るのはボランチタイプの選手でアンカーとして起用。WBをSBの位置に配置して5バック+アンカーのカタチを作る。あとは選手の状況(負傷やイエローカード)を見て、途中出場からもすぐにゲームに入れる選手を投入する。
<フォーメーション:5-4-1>
【CF】
【OMF】
【CMF】 【DMF】
【DMF】
【LSB】 【RSB】
【CB】【CB】【CB】
【GK】
あとがき
今回の仮想シミュレーションは2018年3月末の親善試合までの、日本代表の戦いぶりを元に私個人で分析したものをベースに戦略を立ててみた。つまり、他国から見ればこのぐらいの情報は揃っているということだ。
しかし、ロシアW杯2ヶ月前に監督解任ということで、今までのデータはほとんど意味がなくなってしまった。対戦相手国の視点から日本代表を見た場合、日本人選手個人の分析は進んでいると思うが、どの選手が選ばれるのかわからないから、手詰まりになっているのではないか。
5月30日のガーナ戦にならないと、日本代表の基本フォーメーションやスタメン候補、チームとしての戦い方などが見えないから、現時点ではこれ以上分析しようがない。
よって、この企画をW杯開幕前の6月上旬にもう1度行いたいと考えている。
また、この企画への感想もお待ちしています。
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