日本代表:Road to カタール(30)W杯アジア2次予選/キルギス戦マッチレポート

 2022カタールW杯2次予選の4戦目、アウェイで行われたキルギス戦。個人的には2次予選の中での大一番と思っている試合が行われた。

マッチレビュー

日本代表 2-0 キルギス代表

日本代表のフォーメーション

()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
===================

        永井謙佑
       (鈴木武蔵)

 原口元気   南野拓実   伊東純也
              (中島翔哉)

     柴崎岳   遠藤航
           (山口蛍)

長友佑都 吉田麻也 植田直通 酒井宏樹

        権田修一

===================

【得点者】

前半41分;南野拓実(PK)
後半 8分;原口元気

【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :58%
シュート数  :13本
枠内シュート : 4本
パス成功率  :79%(463本)
オフサイド  : 0回
フリーキック :22本
コーナーキック: 3本

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:ドレン・オムルザコフ・スタジアム
観客数  :17,543人
天候   :曇り
気温   :6.0℃
湿度   :46%

編集長の考察

 画面を通してもピッチ状態が悪いのはわかったが、それはホームといえどキルギスの選手も同じこと。
 その中でいかに対応してプレーするのか。
 海外組が増えた中、アウェイでの試合をそこまで苦にしなくなったのは代表選手の成長に他ならない。

 試合は前半からホームのキルギスが優位に進める。
 カウンターから縦への推進力が高く、決定的な場面を何度も作っていた。GKの権田選手のファインセーブがなければ失点していただろう。

 後半も危ない場面は何度もあったが、ほとんどの選手がゴール前まで戻って守備のブロックを作っていたので、あまり得点を奪われる感じはなかった。キルギスのミドルシュートの精度が低かったのも幸いしたのかもしれない。

 W杯アジア2次予選、勝って当然と思われている一戦で2対0のスコアは数字上で不満が残るかもしれないが、W杯予選は『勝ち点3』が取れれば何も問題ない。

◆対戦相手の取った日本対策

 前日にキルギスのアレクサンデル・クレスティニン監督が日本対策について予告するような記事を読んだが、日本のダブルボランチを機能不全に陥るような策を取ってきた。

 試合開始から日本の自陣で速いプレスで球際を激しく来るキルギスに対し、所属クラブで出場機会を失っている柴崎選手、遠藤選手が先発起用だったこともあり、デュエルでの勝率も悪く、ボールを回せないシーンが目立った。ゲーム感の部分で試合の入りは特に不安定だったため、開始15分はキルギスのプランがハマった形だ。

 さらに日本の両サイドバックのウラのスペースにロングボールを入れることで、日本のラインを上げさせないようにしていた。左サイドのキチン選手から右サイドのマイヤー選手へのサイドチェンジ気味のロングボールは危険だった。

 それでも試合が進むにつれて徐々に日本が修正していく。
 攻撃は最終ラインから前線へロングボールを供給することで中盤を省略する。スピードのある永井選手、伊東選手を起用したこともあり前線での起点は作れていた。

 ダブルボランチがデュエルを制する時間帯が増え、ボールを持てるようになると徐々にリズムが生まれ日本のペースになる。日本らしいサッカーをするためには、中盤の心臓部が機能しないとリズムが生まれないのは以前から問題視している。

 キルギスの攻撃の起点になっていたマイヤー選手には原口選手と長友選手で対応することで、相手に自由にプレーするスペースを与えなかった。
 また日本の右サイドから攻撃することで、左サイドのキチン選手に対して守備を意識させる時間を増やし、キルギスの攻守のスイッチを入れさせないようにしていた。

◆ゴールを決める選手に必要なもの

 試合は、前半41分に南野選手のPKで先制したが、伊東選手のトラップミス?で流れたボールに対して、南野選手が反応してゴール前に侵入してきたところを慌てて出てきたGKと接触して得たPKだったが、南野選手が走っていなければ生まれていなかった。

 アジア2次予選に突入し、4試合連続ゴールとなった南野選手だが、「ゴールのにおい」がするプレーにはいつも顔を出してプレーに関与しているように思うので、ゴールは必然の結果である。

 得点には繋がらなかったものの、フリーでヘディングシュートを放ったり、GKにストップされるも決定機でシュートまで持っていったりと、そこにはいつも南野選手がいる。

 「調子が良い」という言葉で片付けては失礼だが、ゴールを決めるためのポジショニングがここ1年で格段に良くなった印象を受ける。

 また後半の速い時間帯で追加点を奪えたことも良かった。
 原口選手が直接フリーキックを決めたが、代表戦でのフリーキックでの得点は久しぶりのような気がする。
 試合後のインタビューで練習してきた形と言っていたが、GKの逆をつく良いフリーキックだった。

 2点リードしたことで後半は完全に試合を支配することができた。
 1つ注文をつけるなら、試合終盤に押し込まれる展開になったので、カウンターからダメ押しゴールを取れれば文句なしだった。

◆森保ジャパンの進化

 ここまでアウェイでの試合は、前半開始から30分くらいまで押し込まれる展開が続いている。それは対戦相手が日本対策をしっかり行ってきている成果であり悲観することではない。

 相手の出方に対して試合中に修正することが出来る選手、監督、コーチを含めたチームスタッフの活躍にも、観戦側の人間も目を向ける必要があるように考える。

 堂安選手、久保選手と2列目で起用してきた選手が五輪代表に専念することになり、2列目の構成に注目していたが、私の予想では左から「中島選手、南野選手、伊東選手」だった。

 しかし、先発メンバーを見ると左サイドに原口選手が起用されていた。その理由は試合開始からすぐに理解することができた。

 おそらくスカウティングの段階で、キルギス右ウィングバックのマイヤー選手の攻撃参加対策だったと予想する。
 中島選手とマッチアップとなるとフィジカルの差があったのと、長友選手の守備の負担が増えること。または中島選手が守備に追われる時間が増えて、攻撃にかける時間が限られるといったリスク回避だと考える。

 結果的に攻守両面でハードワークできる原口選手の先発起用は的中した!

 森保監督は、これまでも大事な試合になれば先発メンバーを固定して戦ってきていたが、対戦相手によって戦術事に柔軟な選手起用を行うようになってきたと感じる。

 W杯2次予選、ホーム開幕戦となったモンゴル戦でこれまで先発だった堂安選手を外して、伊東選手を起用。結果的に3アシストで勝利に貢献している。

 主力に怪我人、五輪代表専念でベストメンバーを組めない中、柔軟な選手起用が今後アジア予選を突破していくために必要なカギになるだろう。

ABOUTこの記事をかいた人

FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ