2020年、いよいよ日本代表が始動する。
現状では日本国内での代表戦開催は不可能に近いため、今回はオランダのユトレヒトで開催されることになった。
日本時間で、10月9日(金)21時からカメルーン代表と、10月13日(火)23時45分からコートジボワール代表と対戦する。
せっかくオランダで国際親善試合を開催するのだから、ヨーロッパの強豪国とのマッチメイクを希望する声も聞かれるが、残念ながら同時期にUEFAネーションズリーグが開催されるため実現不可能なことを肝に銘じておきたい。
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、2021年に延期されたカタールW杯アジア2次予選。
現在4勝0敗と首位に立ってはいるが、2次予選突破、その先の最終予選に向けてもう1度チームを再構築する大事な試合となる。
今回は入国制限や帰国後の隔離期間が考慮され、オール海外組での構成になった。
25名の代表戦士が招集されたが、オール海外組といっても全て欧州組で招集できたことに時代の流れを感じる。
目次
◆招集メンバー(25名)
※選手名敬称略。
[GK]
川島永嗣(ストラスブール/フランス)
権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)
シュミット・ダニエル(シントトロイデン/ベルギー)
[DF]
長友佑都(マルセイユ/フランス)
吉田麻也(サンプドリア/イタリア)
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
植田直通(セルクル・ブルージュ/ベルギー)
室屋成 (ハノーファー/ドイツ2部)
安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル)
冨安健洋(ボローニャ/イタリア)
板倉滉 (フローニンゲン/オランダ)
菅原由勢(AZ/オランダ)
[MF]
原口元気(ハノーファー/ドイツ2部)
柴崎岳 (レガネス/スペイン2部)
遠藤航 (シュトゥットガルト/ドイツ)
伊東純也(ヘンク/ベルギー)
南野拓実(リバプール/イングランド)
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
中山雄太(ズウォレ/オランダ)
堂安律 (ビーレフェルト/ドイツ)
三好好児(アントワープ/ベルギー)
久保建英(ビジャレアル/スペイン)
[FW]
岡崎慎司(ウエスカ/スペイン)
大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)
鈴木武蔵(ベールスホット/ベルギー)
日本代表予想フォーメーション
フォーメーション:4-2-3-1
===================
大迫勇也
(岡崎慎司,鈴木武蔵)
原口元気 南野拓実 伊東純也
(三好好児) (鎌田大地) (久保建英)
柴崎岳 遠藤航
(中山雄太) ( ? )
長友佑都 吉田麻也 冨安健洋 酒井宏樹
(安西幸輝) (板倉滉) (植田直通) (室屋成)
川島永嗣
(権田修一)
===================
【編集長の考察】
オール海外組でこれだけのメンバーを構成できたことに感慨深くなる。
なお、セルビアのパルチザンに所属する浅野拓磨選手とロシアのロストフに所属する橋本拳人選手は、オランダへの入国の際に入国制限がかけられているため招集見送りになったと、森保監督が取材で明かしている。
そのため、ボランチの層の薄さを露呈してしまった印象を持っている。
私は以前から、ボランチとサイドバックのバックアップメンバーの層の薄さを指摘しているが、海外組が増えたとはいえ、なかなか解消される問題ではない。
◆ダブルボランチコンビは不動
4-2-3-1の場合、コンディション面で何も問題なければ、ファーストチョイスはおそらく柴崎選手、遠藤選手のダブルボランチで間違いないだろう。
司令塔タイプの柴崎選手とボール奪取型の遠藤選手はバランス考えても問題ない。遠藤選手のバックアップとして橋本選手が適任と考えていた。しかし今回は招集見送りということで、2試合を通じて誰が起用されるか注目したい。
一方、柴崎選手のバックアップは中山選手が考えられる。東京五輪世代ではボランチでプレーし、ゲームメイクも出来るのでフル代表でどこまで出来るかに注目したい。
◆サイドバックの人材難は徐々に解消か
両サイドバックは、右に酒井選手、左に長友選手が不動だったが、2番手、3番手の選手も徐々に出てきている。
右の室屋選手、左の安西選手、今回代表初招集となった菅原選手にも注目したいが、まだまだ酒井選手、長友選手の牙城を崩すほど所属チームでアピール出来ているとは言い難い。
海外でプレーする選手が増えている一方、海外のビッククラブ(※今回はUEFAチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ出場常連クラブと定義)でスタメンで出場している選手がどれだけいるかということ。これは全ポジションでいえることだが、オール海外組といえどそこは少し寂しいところだ。
両サイドバックに視点を戻すと、フランスの名門マルセイユでプレーする酒井選手、長友選手を越えるサイドバックは見当たらない。だが、若手からそろそろ出てこないといけない時期に来ている。
◆編集長がオススメする新システム
今回の招集メンバーを見て、特にボランチの構成面で不安を思えたので、4-3-3のシステムを試す機会だと考える。
2列目の人材は豊富なので、これまで右サイドが主戦だった堂安選手をインサイドハーフに配置する。PSVからレンタル移籍しているドイツ・ビーレフェルトで4-3-3の右インサイドハーフでプレーしており、現地での評価もまずまずなので試してみる価値はあると考える。
また原口選手、南野選手についても2列目として申し分ないプレーを見せてはいるが、インサイドハーフでも適正はあると思うので試してみるのもありだと考える。
そして、4-3-3で特にこだわったのが中盤の3枚をトライアングルにした底の位置、いわゆるアンカーポジションに遠藤選手を配置したことだ。中盤をトライアングル型にした4-3-3は、遠藤選手がいないと成り立たないシステムだと考えるが、中山選手もこの位置での適正はあると見ている。
フォーメーション:4-3-3
===================
大迫勇也
原口元気 伊東純也
(三好好児) (久保建英)
柴崎岳 堂安律
(原口元気) (南野拓実)
遠藤航
(中山雄太)
長友佑都 吉田麻也 冨安健洋 酒井宏樹
川島永嗣
===================
最後に、森保監督になり背番号「10」を背負っていた中島翔哉選手がクラブチームで出場機会がないことを理由に招集が見送られた。
森保監督が就任してからの代表戦を観ていると、チームの中心には中島選手が必ずいた。
ワントップの大迫選手でもトップ下の南野選手でもない。
「戦術メッシ」ならぬ「戦術中島」と私は例えているが、中島選手がピッチにいるのといないのではチームの推進力の差ははっきり出ていた。
それは2019アジアカップを振り返っても納得していただけると思う。
そして今回中島選手が不在となる中で、また新しい日本代表のカタチを見せてくれるのではないかと久しぶりの代表戦もあいまって少しワクワクしている自分がいる。
試合スケジュール
【日本時間】
10月 9日(金)カメルーン代表(21時キックオフ予定)
10月13日(火)コートジボワール代表(23時45分キックオフ予定)