日本代表:Road to カタール(38)国際親善試合/韓国代表

日本国内での代表戦が2019年11月19日にパナソニックスタジアム吹田でのベネズエラ代表戦以来、実に1年4ヶ月ぶりに開催された。

現在の社会情勢を考えると開催自体も問題視される中、海外組の招集、外国人選手の日本入国など、特例での対応を行い、徹底した感染対策の元に代表活動に関わった全ての方々の頑張りがあって実現した特別な一戦となった。

試合が行われれば、ピッチで起こった出来事が全てだ。

所属クラブで出場機会を失っている1トップの大迫選手がどの程度プレーできるのか?

今季好調の伊東選手、遠藤選手がどこまでピッチで輝けるのか?

国内組との融合は?

この3つのポイントを中心に日韓戦を振り返る。

【編集長の考察】

日本代表不動の1トップ大迫選手

所属クラブのブレーメンで出場機会を減らし、今シーズン無得点とFWとして機能していない大迫選手だったが、別格の存在感を示していた。

「試合に飢えている」という言葉がそのまま体現されたプレーだった。ゴールこそ奪えなかったが、先制ゴールをアシストするなど、改めて代表では必要な選手だと思わされた。
対アジアでは、フィジカル負けしないからポストプレーが機能する。課題はヨーロッパの強豪国と対戦する時に、どこまで出来るかということだ。

ドイツでは自身のプレースタイルが通用していないところがあるから、FWで起用されないのだろう。実際にトップ下やインサイドハーフでの起用も増えている。
社会情勢を考えるとクラブ側が大迫選手の日本行きを許可することは考えられなかった。それだけチーム内での序列は下がっているのだろう。

ヨーロッパ5大リーグで結果を出すFWが出ることが日本代表の強化になるので、代表戦をきっかけにコンディションを戻し、クラブチームでポジションを取り戻してもらいたい。

今季好調の遠藤選手と伊東選手

今季ドイツ・ブンデスリーガでデュエル勝利数1位を記録している遠藤選手。
所属クラブのシュトゥットガルトで不動の地位を確立し、チームで欠かせないプレーヤーになっているのは代表チームでも同じだ。

日韓戦ではコーナーキックからヘディングダメ押しゴールを決めたように、セットプレーからゴールを決める場面も増えてきている。守備での評価は元々定評があったが、攻撃でインパクトを残せるようになったことが大きいと考える。

今季ベルギー・ジュピラーリーグで10ゴール8アシストと昨年を上回る結果を残している伊東選手。
スピードに乗ったドリブルで右サイドを制圧し、伊東選手にボールが入れば、日本の攻撃のスイッチが入る場面を日韓戦でも数多く見られた。

2列目の右サイドは堂安律選手、三好康児選手、久保建英選手と若手有望株もいるが、現状フル代表では伊東選手がファーストチョイスで間違いないだろう。

遠藤選手と伊東選手の活躍は予想できたが、ポルトガル・プリメイラリーガのサンタクララでプレーする守田選手が、Jリーグでプレーしていた時よりもダイナミックになっている印象を受けた。
その象徴が積極的にミドルシュートを打つシーンがあったこと。前が空いていれば果敢にゴールを狙う姿勢を見せる選手は、しばらく代表のボランチでは見られなかったプレーだ。

遠藤選手と守田選手のダブルボランチが機能したことで、ディフェンス面ではいつも以上に安定していたし、ボール奪取から攻撃に移る時もスムーズに出来ていた。

これまでダブルボランチの構成は、司令塔型とボール奪取型を合わせるのが理想だと思っていたが、今回の組み合わせも悪くなかったので、ヨーロッパの強豪国とマッチメイク出来たときに見てみたいと思えた。

国内組との融合

徹底した感染対策のため、国内組と海外組でコミュニケーションを取れる機会がピッチ上のみだったようだ。
ロッカールームや宿舎でもコミュニケーションが取れない難しい状況だったにも関わらず、試合ではそういった部分を微塵も感じなかったのが日本を代表する選手が集まったからだろう。

日本代表では、選手の個も大事だが、チームコンセプトを体現する方が代表チームに良い結果をもたらすことになるのではないかと。今回の日韓戦では「代表チームのあり方」について考えさせられた。

海外組偏重、国内組軽視といった外野の声も聞こえるが、代表チームのコンセプトさえしっかりしていれば、海外組と国内組の融合は可能だと思っている。

あとがき

試合全体を通じて、韓国代表のパフォーマンスは良くなかった。
エースのソン・フンミン選手が不在とはいえ、近年のE-1選手権で見せたような日韓戦になれば国内組だけでも非常にアグレッシブに攻めてくる印象を持っていた。

しかし、開始直後から韓国代表が試合に入れていないシーンが目立った。
時折見せるラフプレーに近いものはあったが、球際の強さは影を潜め、日本ゴールに迫るシーンも皆無だった。後半からは徐々に日本にとって驚異になる場面もあったが、日本の守備陣が良かったから韓国の攻撃を無効化することができた。

Jリーグの柏レイソルでプレーするGKのキム・スンギュ選手がスタメンで出ていたら、後半だけでも何本もシュートストップを見せていたので、もう少し締まった試合になっていたとは思う。

結果だけ見れば日本代表が3対0と完勝したが、伝統の日韓戦としては物足りない内容だった。

マッチレビュー

日本代表 3-0 韓国代表

【日本代表:得点者】
前半16分;山根視来
前半27分;鎌田大地
後半38分;遠藤航

日本代表スターティングイレブン

【フォーメーション:4-2-3-1】

()内は交代出場した選手
===================

        大迫勇也
       (浅野拓磨)

 南野拓実   鎌田大地   伊東純也
(脇坂泰斗)  (江坂任)  (古橋亨梧)

     遠藤航   守田英正
           (川辺駿)

佐々木翔 冨安健洋 吉田麻也 山根視来
(小川諒也)

        権田修一

===================

【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :45%
シュート数  :22本
枠内シュート :10本
パス成功率  :81%(467本)
オフサイド  : 2回
フリーキック :11本
コーナーキック: 8本

【スタジアム/現地情報】

スタジアム:日産スタジアム
観客数  :8,356人
天候   :晴れ
気温   :15.0℃
湿度   :78%

◆招集メンバー(23名)

※選手名敬称略。

[GK]

1.西川周作(浦和レッズ)
12.権田修一(清水エスパルス)
23.前川黛也(ヴィッセル神戸)

[DF]

22.吉田麻也 (サンプドリア/イタリア)
19.佐々木翔 (サンフレッチェ広島)
2.松原健  (横浜F・マリノス)
13.山根視来 (川崎フロンターレ)
4.畠中槙之輔(横浜F・マリノス)
20.中谷進之介(名古屋グランパス)
3.小川諒也 (FC東京)
16.冨安健洋 (ボローニャ/イタリア)

[MF]

8.稲垣祥 (名古屋グランパス)
7.江坂任 (柏レイソル)
6.遠藤航 (シュトゥットガルト/ドイツ)
14.伊東純也(ヘンク/ベルギー)
10.南野拓実(リバプール/イングランド)
11.古橋亨梧(ヴィッセル神戸)
5.守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)
17.脇坂泰斗(川崎フロンターレ)
21.川辺駿 (サンフレッチェ広島)
9.鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)

[FW]

15.大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)
18.浅野拓磨(パルチザン/セルビア)

【辞退】

坂元達裕(セレッソ大阪)※怪我
原川力 (セレッソ大阪)※怪我

ABOUTこの記事をかいた人

FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ