サッカーU-24日本代表/東京五輪2020 3位決定戦/U-24メキシコ代表/マッチレポート

マッチレポート

3位決定戦はグループリーグでも対戦したメキシコと再び相見えることになった。奇しくも1968年メキシコシティー五輪大会の3位決定戦と同じカードであり、どこか運命めいたものを感じる。

この試合はメキシコの日本対策が功を奏したことが全てだった。遠藤選手、田中選手のダブルボランチには前後から挟むようにプレッシャーをかけることで日本のボランチは機能不全になっていた。

日本のボランチはチームの心臓で重要度が高い。攻撃のスイッチになる縦パスが入るのもボランチだし、相手のボールを奪う守備の起点もボランチ。日本はボランチが機能しなければチームとして連動することはない。

ボランチを経由しない場合は、中盤を飛ばして前線へのロングボールからのポストプレー、またはサイドで高い位置を起点に攻撃にシフトする場面も見られるが、メキシコ守備陣がワントップの林選手にはセンターバック2枚をつけていたし、攻撃の軸である堂安選手にはマンマークをつけてスペースを与えないようにケアしていたこともあって日本が起点を作ることが出来なかった。
久保選手はマークを剥がしてフリーで受けようとするも、ボールを持ったらチェックが厳しくなった。比較的スペースがあったのは相馬選手のところだったがフィニッシュで精度を欠いてしまった。

気になったのはペナルティエリア近くまでボールを運んだのに、トラップミスでチャンスを台無しにするシーンが目立ったこと。
ボールロストしたりサイドラインを割ったりと代表レベルとは思えないプレーの連発に情けなくなった。攻撃陣の世界との差の1つはトラップ。世界と渡り合うだけのトラップを見せていたのは久保選手だけだった。

全体を振り返ると試合の入り方を間違えた可能性もあるが、PKとセットプレーからの失点で前半22分から2点のビハインドを背負うことになったが、日本の中盤が機能していなかったので必然のような失点だった。
グループリーグとは真逆の展開になったことと、前半の早い時間帯での失点が今大会初めてだったこともあり、リスクマネジメントがどこまで出来ていたのか気になるところだ。

前半の早い段階で1点を返せていたら別の展開になっていたかもしれないが、決勝トーナメントに入ってから攻撃陣が不発だったこともありどこか期待は薄かったように思う。チャンスはあったがメキシコのブロックを崩せなかったところがそれを物語っている。

前半を2点ビハインドで折り返し、後半13分に3点目を奪われたことでほぼ勝負は決まってしまった。後半17分から積極的に交代カードを切り、後半33分に1点を返したが反撃もここまで。
3点ビハインドからオープンな展開になったからだけど、シュートが枠内に飛んでいたら大逆転勝利もあったと思えるくらい攻撃の圧力は見せたが、世界との差の1つである決定力不足が露呈した。

中2日での連戦でコンディションがきつかったのはわかるが、それは相手も同じ。同じ条件のはずなのにメキシコの方が動きが良く、グループリーグと対戦した時よりコンディションが上がっているように見えた。

ベスト4まで残った日本、スペイン、ブラジル、メキシコ。日本より格上チームばかりなので、悔しいが4位という成績は順当な結果だということなのか。

マッチレビュー

U-24日本代表 1-3 U-24メキシコ代表

【得点者:日本代表】
後半33分;三笘薫

U-24代表スターティングイレブン

【フォーメーション:4-2-3-1】

()内は交代出場した選手
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        林大地
       (上田綺世)

 相馬勇紀   久保建英   堂安律
(旗手怜央)

    田中碧    遠藤航
    (板倉滉)  (三好康児)

中山雄太 冨安健洋  吉田麻也 酒井宏樹
(三笘薫)
        谷晃生

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ベンチメンバー

[GK]

1.大迫敬介(サンフレッチェ広島)

[DF]

4.板倉滉 (フローニンゲン/オランダ)
13.旗手怜央(川崎フロンターレ)

[MF]

8.三好康児(アントワープ/ベルギー)
11.三笘薫 (川崎フロンターレ)

[FW]

9.前田大然(横浜F・マリノス)
18.上田綺世(鹿島アントラーズ)

日本代表スタッツ

ボール支配率 :54%
シュート数  :22本
枠内シュート : 6本
パス成功率  :85%(522本)
オフサイド  : 0回
フリーキック :19本
コーナーキック: 3本

スタジアム/現地情報

スタジアム:埼玉スタジアム2002
天候   :晴れ
気温   :33.0℃
湿度   :39%

あとがき

森保監督体制の日本代表だとフル代表でも基本フォーメーションは一緒だ。
4-2-3-1の基本フォーメーションで、攻撃はワントップのポストプレーから2列目が連動していく。守備はゾーンで守りながら、ボランチとセンターバックのところでは球際でやられないこと、サイドバックでは1対1でやられなければ、アジアではある程度戦えることは証明されている。

しかし、このまま同じやり方を貫いて良いだろうか。
アジアでは通用したとしても世界では通用しないかもしれない。というモヤモヤが生まれた。2022カタールW杯に向けて決勝トーナメントでの戦い方を再考する必要があると東京五輪での激闘が示してくれた。

ガチガチに固めたメンバーで望んだ東京五輪では4位で終わりメダルを獲得出来なかった。フル代表の中心であるオーバーエイジ3選手に今後の代表を担う若い選手達。現状考えられるベスト布陣で臨んだにも関わらずノックアウトラウンドではスペイン、メキシコに通用しなかった。

守備面の積み上げ出来ているが、日本のダブルボランチが機能不全になった時にどう対応するのか。攻撃面で2列目はタレント揃いだが世界と対等に勝負できる選手は僅か。1トップにもワールドクラスのエースストライカーはいない。

この課題を残したまま、9月から始まる2022カタールW杯アジア最終予選を突破出来るのか。
日本に対してどう戦えば良いか対戦国が五輪大会をチェックしていれば同様の対策を練ってくることは容易に考えられる。

ABOUTこの記事をかいた人

FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ