日本代表:Road to カタール(50)W杯アジア最終予選/オマーン代表戦マッチレポート

ベトナム代表を相手に辛勝といえど勝利して勝ち点3を獲得し、W杯出場に望みを繋いでる日本代表。アウェイ連戦の2試合目はアジア最終予選の初戦ホームで敗れたオマーンと対戦する。

ホームで敗れた借りはここで返すしかありません。ただ11月シリーズはアウェイ連戦といえど2連勝で勝ち点6しか考えられないので、引き分け以下でもカタールW杯出場は遠のくでしょう。

アジア最終予選の初戦、ホームでオマーンと対戦した時のマッチレポートはこちらから読めます。

マッチレポート

ベトナム戦からフォーメーションは変わらず、出場停止の守田選手に代わって柴崎選手を起用したスターティングイレブンに無難な構成とチーム戦術の無さを感じさせた。

正直驚きもしなかったのは、私が今の日本代表について興味が薄れてきているのかもしれない。
吉田選手がオマーン戦をブラジルを相手にした時と同じように戦うとコメントしていたが、試合を見た限りそういった雰囲気は伝わって来なかったし、実際にブラジルと対戦していたら前半だけで3点を奪われて勝負を決められていただろう。

前半は酷い内容だった。日本時間の1時キックオフだったため、眠たい目を擦りながら配信観戦したファン・サポーターも多いだろう。
ベトナム戦とは異なり移動はあったとはいえチームとして全体練習する時間はあったはずなのに、スタメンで起用されている選手の動きがそこまで良くないように感じた。

1トップの大迫選手にボールが入ると想定通りの激しいプレスが来て、好調の伊東選手にはマークが厳しくなる。よって左サイドからの攻撃しか手がなくなるので、相手とすれば守りやすかったはずだ。ボランチが攻守の軸になっているから中盤のデュエルの次第で状況は変化するが、守田選手の不在の4-3-3が機能していたかと言われればそうは思わなかった。

後半開始から柴崎選手に代えて三苫選手を投入し、4-2-3-1に戻したあたりから徐々にペースを掴んでいった。それでも攻撃は三苫選手の個の力によるドリブル突破しかなく、1トップと2列目の連動性は皆無だったが、日本が左サイドを崩し続けたことで、後半36分に待望の先制点が生まれこれが決勝点となって勝利した!

また守備陣も2試合連続で無失点と堅守を見せた。吉田選手、冨安選手の両センターバックは盤石だったし、アンカーに遠藤選手が入るだけでさらに強固になったが、組織で守ったというより個の力で負けなかっただけであり、チームとしての上積みを期待できる内容ではなかった。

アウェイ連戦を2連勝で終え勝ち点6を積み上げ、他力ではあるが6試合を終えて日本はグループ2位になり、カタールW杯ストレートインも見えてきたことは朗報だ。

日本代表として最高であり最低限の結果は出した。それでも私の中ではモヤモヤがおさまらない。それは選手起用なのかチーム戦術なのかはっきりしないのは、森保監督体制になってチームとして上積みがほとんどないことが明確になったからだと考える。

勝つには勝ったがこれで本当に良いのだろうか。W杯出場が目標なら結果を残したから良いが、今の日本代表の目標はW杯ベスト16の壁を越えることではないのだろうか。

マッチレビュー

日本代表 1-0 オマーン代表

【得点者】
後半36分;伊東純也

日本代表スターティングイレブン

【フォーメーション:4-3-3】

()内は交代出場した選手
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        大迫勇也
        (原口元気)

 南野拓実          伊東純也
(古橋亨梧)            (浅野拓磨)

     田中碧     柴崎岳
             (三苫薫)

         遠藤航

長友佑都 冨安健洋 吉田麻也 山根視来
(中山雄太)

        権田修一

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【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :59%
シュート数  :13本
枠内シュート : 4本
パス成功率  :81%(568本)
オフサイド  : 4回
フリーキック :11本
コーナーキック: 4本

【スタジアム/現地情報】

スタジアム:スルタンカブーススポーツコンプレックス
観客数  :14,123人
天候   :晴れ
気温   :25℃
湿度   :62%

登録メンバー

[GK]

1.川島永嗣(ストラスブール/フランス)
12.権田修一(清水エスパルス)
23.谷晃生 (湘南ベルマーレ)

[DF]

5.長友佑都(FC東京)
22.吉田麻也(サンプドリア/イタリア)
19.酒井宏樹(浦和レッズ)
3.谷口彰悟(川崎フロンターレ)
2.山根視来(川崎フロンターレ)
4.板倉滉 (シャルケ/ドイツ2部)
20.中山雄太(ズウォレ/オランダ)
16.冨安健洋(アーセナル/イングランド)

[MF]

8.原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)
7.柴崎岳 (レガネス/スペイン2部)
6.遠藤航 (シュトゥットガルト/ドイツ)
10.南野拓実(リバプール/イングランド)
18.浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)
9.鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
14.伊東純也(ゲンク/ベルギー)
13.三笘薫 (サン・ジロワーズ/ベルギー)
21.堂安律 (PSV/オランダ)
17.田中碧 (デュッセルドルフ/ドイツ2部)

[FW]

15.大迫勇也(ヴィッセル神戸)
11.古橋亨梧(セルティック/スコットランド)

[ベンチ外]

室屋成 (ハノーファー/ドイツ2部)
旗手怜央(川崎フロンターレ)
前田大然(横浜F・マリノス)
上田綺世(鹿島アントラーズ)

[離脱]

守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)
→累積警告による出場停止と所属クラブ事情のため

あとがき

前半だけ、後半だけで総括すると全く別のチームになるが、90分を通してアウェイゲームなので、前半をしっかりゼロに抑えて後半ギアを上げるプランだったのならそこまで批判が広がることはない。

【後半開始:4-2-3-1】

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        大迫勇也

  三苫薫    南野拓実   伊東純也

     遠藤航    田中碧

長友佑都 冨安健洋 吉田麻也 山根視来

        権田修一

【後半20分頃:4-2-3-1】

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        古橋亨梧

  三苫薫    大迫勇也   伊東純也

     遠藤航    田中碧

中山雄太 冨安健洋 吉田麻也 山根視来

        権田修一

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前半をスコアレスで折り返して、後半開始から三苫選手を投入して左サイドから崩していくプラン。それでも得点が生まれないから後半17分に古橋選手を入れて縦関係の2トップ。または4-2-3-1のままトップ下に大迫選手を入れて2列目から攻撃の起点を作るプランにシフト。さらにサイドバックからも攻撃を組み立てれるように中山選手を投入したなら合理的だったと考える。

様々な角度から考察してみると、試合中の采配は何も問題は無かったように考える。手元にあるカード(ベンチ入り登録メンバー)を上手く活用することはできるが、調子の良い選手を見極めて起用できない決断力の無さが例え勝利しても批判に繋がるのではないだろうか。

実際に怪我明けの大迫選手は2試合連続でスタメン起用。右脚にテーピングを巻いてプレーしていたので万全だったとはいえない。「怪我明け」といえば酒井選手や堂安選手も招集されていたが起用しなかったまたは出来なかったのなら、わざわざ招集する意味はあったのだろうか。これが続けば選手と契約しているクラブ側と日本サッカー協会が今後どこかで揉めることになると思う。

「招集する意味」となると、国内組から選出された上田綺世(鹿島アントラーズ)、旗手怜央(川崎フロンターレ)、前田大然(横浜F・マリノス)の3選手が2試合連続でベンチ外となってしまったことが最も不可解だ。特に現在(第35節終了時点)Jリーグ得点王の前田選手が2試合連続でベンチ外は波紋を広げている。

森保監督体制はA代表とU-23代表チームの兼任からスタートしているので、東京五輪組をA代表で起用することに何も障壁がないはずだ。W杯アジア最終予選のためより慎重になっているだけなのか。それとも監督の器量なのか。

日本代表は6試合を終えて勝ち点12でグループ2位に浮上したので、この時点での森保監督解任は100%無いと断言しよう。
外国人監督だったらコミュニケーションを理由に監督解任の強権を協会が下した実績があるので100%無いとは言い切れないが、現体制のまま仮にカタールW杯出場権を獲得できたとしても、ベスト16の壁を越える未来は全く見えない。