日本代表:Road to カタール(53)W杯アジア最終予選/オーストラリア代表戦マッチレポート

日本は勝てばグループBの2位以上が確定し2022カタールW杯出場権を獲得する。
一方、オーストラリアは勝てば日本を上回り2位に浮上し最終戦に出場権獲得の可能性が出てくるため、日本とオーストラリアにとって大一番となった。

メンバー発表された時から4-2-3-1より4-3-3が濃厚の布陣を想定していた。
怪我で辞退した大迫勇也選手、酒井宏樹選手の代わりに誰を起用するのかに注目していたが、連勝中のチーム状況もあり大きく変えることなく浅野拓磨選手、山根視来選手を序列通りに起用した形となった。

マッチレポート

前半の立ち上がりは悪くなかった。ポストプレイヤーの大迫選手が不在のためいつもの攻撃パターンの1つが使えない中で、相手ディフェンスのウラのスペースへロングボールを入れるプレーは、日本にはフリーランニング出来る浅野選手、伊東純也選手がいたから機能した。

早い時間帯にゴールを決めることは出来なかったが、戦術伊東が定着している代表チームにおいて1トップより3トップで見た時に前線3枚の構成次第では変幻自在の攻撃パターンが形成できる可能性も感じられた。

オーストラリアは日本がトップにボールを当ててきたところを奪うようなディフェンスラインの並びになっていたから、ウラへの対応が後手後手になっていた。
ディフェンスラインが下がることでアタッキングサードのところでスペースが空いたため、オーストラリアの選手同士の距離感が広がったことで、日本のボールの取り所が出来てショートカウンターが仕掛けやすい展開になった。

本来ならこの場面で先制点を奪うことができたら、前半だけで勝負がついていたのかもしれない。南野拓実選手にはリバプールの一員であるなら決定機は決めて欲しかった。

日本代表の敵は、アウェイのスタジアムでも雨でもなくオーストラリアのゴールポストだったかな。ピッチ上でオーストラリア12番目の戦士として日本の壁になっていた。

選手の硬さが取れて流動的な展開になると、ホームの歓声を受けたオーストラリアの攻撃は推進力を持っていて危ない場面を作られていたのでオープンな展開になればオーストラリア有利だった。

個人的にはカウンターのやり合いは悪くないと思って見ていた。海外組が増えたことで欧州基準の試合展開が日本代表にも浸透してきたのかと思っていたがどうやら違ったようだ。

それは後半の落ち着いた試合運びがいつもの日本代表のスタイルだったから。この試合に関して日本は最低でも引き分けで良く、敗れることが最悪とされていた。そのためにも失点をしないことが最重要課題であり試合開始前から主導権は日本側にあった。

絶対に勝ち点3が必要なオーストラリアが攻撃的に来ることは想定できたはずだが、結果的にオーストラリアのリズムに真っ向勝負を挑んだ形になったのは、日本にゲームメイクが出来る選手がピッチ内にいなかったことが大きく影響したのではないだろうか。後半のプレーを見ればハーフタイムでベンチからの指示があったことは明確だった。

試合はスコアレスのまま試合終盤へ。引き分けを覚悟した中でこじ開けたのは絶対的な個の力を持つ選手のドリブルだった。攻撃の切り札として後半39分から途中出場した三笘薫選手の起用がピタリと決まり、短い時間で先制、追加点と文句のつけようのない完璧なプレーを見せ、日本代表のカタールW杯出場権獲得を決定づけた。

マッチレビュー

日本代表 2-0 オーストラリア代表

【得点者】
後半44分;三笘薫
後半45+4;三笘薫

日本代表スターティングイレブン

【フォーメーション:4-3-3】

()内は交代出場した選手
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        浅野拓磨
        (上田綺世)

 南野拓実          伊東純也
(三笘薫)          

    守田英正     田中碧
            (原口元気)

         遠藤航

長友佑都 吉田麻也  板倉滉  山根視来
(中山雄太)

        権田修一

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【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :55%
シュート数  :18本
枠内シュート : 6本
パス成功率  :81%(547本)
オフサイド  : 5回
フリーキック :11本
コーナーキック: 3本

【スタジアム/現地情報】

スタジアム:スタジアム・オーストラリア
観客数  :41,852人
天候   :雨
気温   :19℃
湿度   :97%

登録メンバー

[GK]

1.川島永嗣(ストラスブール/フランス)
12.権田修一(清水エスパルス)
23.シュミット・ダニエル(シントトロイデン/ベルギー)

[DF]

5.長友佑都(FC東京)
22.吉田麻也(サンプドリア/イタリア)
19.佐々木翔(サンフレッチェ広島)
3.谷口彰悟(川崎フロンターレ)
16.山根視来(川崎フロンターレ)
2.植田直通(ニーム/フランス2部)
4.板倉滉 (シャルケ/ドイツ2部)
20.中山雄太(ズウォレ/オランダ)

[MF]

8.原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)
7.柴崎岳 (レガネス/スペイン2部)
6.遠藤航 (シュトゥットガルト/ドイツ)
10.南野拓実(リバプール/イングランド)
13.守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)
14.伊東純也(ゲンク/ベルギー)
21.三笘薫 (サン・ジロワーズ/ベルギー)
15.旗手怜央(セルティック/スコットランド)
17.田中碧 (デュッセルドルフ/ドイツ2部)
11.久保建英(マジョルカ/スペイン)

[FW]

18.浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)
9.上田綺世(鹿島アントラーズ)

[招集辞退]

大迫勇也(ヴィッセル神戸):負傷のため
酒井宏樹(浦和レッズ):右足第5中足骨骨挫傷
前田大然(セルティック):コンディション不良

[ベンチ外]

谷晃生  (湘南ベルマーレ)
中谷進之介(名古屋グランパス)
林大地  (シントトロイデン/ベルギー)

あとがき

3月29日にアジア最終予選グループBの最終戦としてホームでベトナム代表と対戦する。
怪我や出場停止を除くとほとんどメンバーを固定して戦ってきたことがあるので、どういう選手起用になるのか注目したい。本大会に向けた選手選考の争いは既に始まっている。