日本代表:Road to カタール(57)国際親善試合[キリンカップ準決勝]ガーナ代表戦マッチレポート

ブラジル代表との国際親善試合は0対1で敗れました。惜敗なのか完敗なのか。全体的な内容だと惨敗だったのか様々な意見が出ました。

個人的にはスコア以上の差があったとは思います。守備陣はある程度計算できた部分はありますが、問題は全く見せ場を作れなかった攻撃陣にあります。
ブラジル戦に出場したけど結果が残せなかった選手、ここまで出場機会に恵まれていない選手がどこまで奮起するのか、結果次第では大幅な入れ替えがあるかもしれません。

この試合から国際親善試合ですがキリンカップと称され日本、ガーナ、チリ、チュニジアの4カ国によるノックアウト方式での開催。90分で決着が付かなければPK戦で決着をつけることになります。ですが本番を想定するなら延長戦を含めて実施してほしかったところです。

キリンカップ準決勝、日本の相手はカタールW杯に出場するガーナ。ガーナにとってはグループリーグで韓国と対戦することが決まっているため、日本との一戦は仮想韓国として最高のシミュレーションになり、本番を半年後に控えるW杯出場国同士の重要な一戦になると期待していたのですが…

マッチレポート

日本の先発メンバーが発表された段階で4-2-3-1だと思って配置を確認したら4-3-3と少し違和感を覚えた。
全体的に前がかりになり過ぎていて、アンカーとインサイドハーフの距離感がいつもより遠く感じ、強豪相手に守備では良い結果を残した次の試合ではほころびが出たのかなという印象。

ブラジル戦から多少メンバーが変わっていたのも影響してたのか、ガーナが試合の序盤から集中したプレーをしていなかったから助かっただけで、ブラジル戦で見せたような組織的な守備は影を潜めていたように思う。

個人的にはシステムに選手をはめる弊害が出たという見解です。システムに選手をはめるより、選手によってシステムを柔軟に変化させた方が日本代表にとっては良いのではないだろうか。

6月シリーズもこの日3試合目だったが、今日に至るまで代表活動が続いているが、ビルドアップについては試合中での改善点があまり見られなかった。

ガーナ戦ではスペースがあったため、パス成功率も試合を通して90%と無難に出来た印象かもしれないが、ドイツ、スペインを相手にも通用するようなパスを出せていたとは考えられない。

マイボールの時間帯も多かったのに、フリーで待っている選手の足元に入れて回すだけでは相手も守りやすかったと思う。ワンタッチ、ツータッチで交わしたり、緩急などで変化をつけたり、裏のスペースへフリーランニングを繰り返す選手がいないと、相手の脅威になるわけがない。

結果的に大量得点での勝利だったが、その裏で現代表チームでの限界を露呈した可能性もある。

【フォーメーション:4-3-3】
()内は交代時間と交代出場した選手

        
        上田綺世
       (80,前田大然)
  三笘薫           堂安律 
(80,南野拓実)       (69,伊東純也)

     柴崎岳     久保建英

         遠藤航
       (69,田中碧)

伊藤洋輝           山根視来
              (85,中山雄太)

     谷口彰悟   吉田麻也
          (HT,板倉滉)

        川島永嗣

日本の守備について

遠藤選手がプレーしている時と交代で下がった後では別のチームに感じた。アンカーに遠藤選手がいるといないで守備戦術に違いが出たのはチームとしてどうなのだろうか。

システムに選手を当てはめるだけでは守備のバランスが崩れてしまう。4-3-3は遠藤システムとして既に構築されてしまったため、遠藤選手がプレーしない時は割り切って4-2-3-1にした方が選手構成から考えた時に全体的にバランスは取りやすいと考える。

日本の攻撃について

攻撃に行く時は4-2-3-1にしても良いのではないだろうか。インサイドハーフのどちらかがトップ下の位置まで上がっていけるならより厚みのある攻撃は出来ると思う。

元々トップ下が主戦の選手がインサイドハーフで起用されている現状から見ても、攻守の切り替えを意識してピッチ内でポジションのバランスを保つようなプレーになっているため、両サイドの選手にボールが収まらないと攻撃のスイッチが入っていない。

両サイドを囮に中央から強引に切り込んでサイドで仕留めるパターンが増えてこないと相手にとっても日本の攻撃は対策すれば比較的守りやすいと思われているはずだ。

マッチレビュー

日本代表 4-1 ガーナ代表

【日本代表:得点者】
前半29分;山根視来
前半45+1;三笘薫
後半28分;久保建英
後半37分;前田大然

【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :54%
シュート数  :17本
枠内シュート :6本
パス成功率  :90%(632本)
オフサイド  :3回
フリーキック :9本
コーナーキック:6本

【スタジアム/現地情報】

スタジアム:ノエビアスタジアム神戸
観客数  :25,100人
天候   :曇り
気温   :25.8℃
湿度   :52%

招集メンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 1 川島永嗣
12 権田修一
23 シュミット・ダニエル
28 大迫敬介
DF 5 長友佑都
22 吉田麻也
3 谷口彰悟
2 山根視来
4 板倉滉
20 中山雄太
16 冨安健洋
26 伊藤洋輝
27 菅原由勢
MF 8 原口元気
7 柴崎岳
6 遠藤航
14 伊東純也
10 南野拓実
13 守田英正
9 鎌田大地
15 三笘薫
21 堂安律
17 田中碧
11 久保建英
FW 18 浅野拓磨
19 古橋亨梧
24 前田大然
25 上田綺世

ガーナ戦:ベンチ外

GK.大迫敬介
DF.冨安健洋
FW.浅野拓磨

チーム離脱

DF.菅原由勢(怪我のため)
MF.守田英正(怪我のため)

あとがき

伊東純也選手、三笘薫選手が機能していないと得点には繋がらないことが証明されてしまった。
攻撃では戦術伊東、戦術三笘以外の引き出しは現時点では見つかっていない。ブラジルに通用しなかった攻撃パターンがW杯本大会でドイツ、スペインに通用するわけがない。