欧州のサッカー選手にとって、移籍の話題が世界中を駆け巡るのは宿命なのかもしれない。
「移籍報道が出るということは、オファーは届いているということで間違いないだろう。しかしクラブ側がそれに応じるかどうかはわからない。」という段階で、話が止まると報道が出て過熱するといった流れになっていると私は解釈している。
言い方は悪いが、プロサッカー選手は商品である。
代理人にとって移籍はビジネスチャンスだから成功すれば報酬を得られることになるから、どんな手を使っても成立させようと動いた結果が、選手をおもちゃにしているという表現となった。異常な高騰を見せる移籍金もこういった背景が原因なのだろう。
欧州の移籍マーケットに関しては、今シーズン悪しき前例を2つも作ってしまったように考える。それは、バルセロナのデンベレ選手とレスターのマフレズ選手についてだ。オファーが来たから移籍を希望しても、所属クラブの意向で破断となったがそこで終わらなかった。デンベレ選手、マフレズ選手は練習をボイコット。その後、紆余曲折あり、デンベレ選手は191億円でバルセロナへ移籍。マフレズ選手はレスター残留となった。
日本人の視点から見れば、移籍出来なかったからという理由で練習をボイコットするのは考えられない。選手個人の判断か、代理人の入れ知恵なのかもわからない。ワールドクラスの選手でも日本人選手でも、移籍に関しては選手の人間性が反映されていると私は考える。
※選手たちを置き去りにして一方的に過熱する移籍報道に関し、ワールドクラスの選手と日本人選手の場合で「移籍報道の在り方」を考察してみた。
目次
ワールドクラスの選手の場合
ネイマール選手の場合
パリ・サンジェルマンに所属するネイマール選手。
最近では、クリスティアーノ・ロナウド選手、リオネル・メッシ選手より「移籍報道」といえばネイマール選手の名前が根拠なく上がってくるように感じている。
無理もない。バルセロナからパリサンジェルマンへ歴代1位の約290億円で移籍した選手なのだから否が応でも移籍に関しては話題の中心になるだろう。
チームメイトでともにブラジル代表のダニエウ・アウベス選手が火消しに走る事態になっている。
[参照サイト] D・アウベスが過熱報道に苦言「ネイマールはマリオネットみたいに扱われている」パリ・サンジェルマンはCLベスト16で敗退。ネイマール選手は怪我で今季絶望。ロシアW杯までに復帰が間に合うのか…という状況だから、可笑しな移籍話が浮上してしまったのではと感じる。といってもネイマール選手が移籍に関して自身の口から発言していないので、レアル・マドリードに移籍するのか?バルセロナに電撃復帰か?というの単なる飛ばし記事で現実的ではないとみている。
マルコ・ロイス選手の場合
ドルトムントのロイス選手もプレミアリーグへの移籍が噂される選手だ。
2019年までの契約だが、その後新契約が締結されていなかったのもあって、移籍金が発生する間に他のクラブへ移籍するのでは?と考えるメディアもあったようだ。実際に世界の名だたるクラブからオファーが届いていた。と本人も認めている。
しかし何事もなかったように、ドルトムントと2023年までの延長契約を結んだ。私個人の意見だが、○○年まで契約延長したという証明をユニフォームに入れて発表するスタイルはグッジョブだ!
日本人選手の場合
日本人選手についてもワールドクラス選手と同じことがいえるだろう。
それだけ欧州サッカー界で日本人選手の評価が上がってきたことになるのかな?と良い方向に考えることがある。
※直近で移籍が話題になった日本人選手3名を例に挙げてみた。
本田圭佑選手の場合
昨年のクラブワールドカップに出場した際、一気に移籍報道が過熱した。本人がパチューカ残留を名言したが、欧州再挑戦などの見出し記事が多く出て、しばらく熱が収まらなかった。影響力のある選手に移籍の話題が集中するのも無理はない。
乾貴士選手の場合
スペイン1部のべティスへの移籍報道が出た。本人はエイバルと延長契約をして残留を公言している中での情報だから不自然に感じた。乾選手もべティスについては何もメッセージを出していないところに真実があるのではと考えている。以前に根も葉もない移籍情報が出た時に苦言を呈したこともあったので。
長友佑都選手の場合
今冬に半年間のレンタルでトルコ1部のガラタサライに移籍した。保有権はインテルにあるのでレンタル期限が来れば1度インテルに戻ることになるが、ガラタサライは完全移籍での獲得を目指して交渉に入るという報道も出ている。またインテルとサンプドリアの間でトレードになる可能性も浮上したようだ。今後の動向を見守ろう。
あとがき
最近では、過熱する移籍報道に対して選手自らが公言することが増えた気がする。または選手自身のSNSを使って投稿することもある。選手にとってシーズン中にメディアに移籍のことで追い回されるのは、ストレスでしかない。またプレーに悪影響が出て、低調なパフォーマンスになれば、さらに批判の的となるのを避けるためだろう。
今年はW杯イヤーということで、出場機会を求めて半年間のレンタル移籍を行った選手が多かった。日本人選手でいえば長友選手、原口選手。海外各国の選手でいえば把握しているだけで、バチュアイ選手、レスターのウジョア選手、ムサ選手、スリマニ選手…などが挙げられる。来シーズン開幕前にどこのクラブに所属しているのだろうか。今後も注目していきたい。
欧州リーグが終盤戦に差し掛かった時は移籍の話題がまた増えていくだろう。メディアには選手をおもちゃにしない報道をしてもらいたいと切に願う。
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