先週から2018-2019シーズン、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグが開幕した。
ヨーロッパ最高峰の大会といわれているが、参加している日本人選手が少ないこともあり寂しく感じている。
海外組が増えてきたとはいえ、毎年ヨーロッパ各国のリーグ戦で上位争いに絡んでくるクラブチームに日本人選手が所属していないケースが増えてきている。
結果として、UEFA主催のヨーロッパ最高峰の大会(CL,EL)に参加している日本人選手も少なくなっているのが現状だ。
ヨーロッパ最高峰の大会で日本人選手同士が凌ぎを削るような試合は、2011年4月に行われたUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝、シャルケ対インテルまでさかのぼる。
ファーストレグはシャルケの内田篤人選手、インテルの長友佑都選手が揃って先発フル出場し、CL史上初の日本人対決が実現した一戦となった。
セカンドレグも内田選手は先発フル出場、長友選手は途中出場し、日本人対決が実現。試合は2戦合計7対3でシャルケが勝利し、準決勝に進んだ。
日本人選手のCL最高成績は「ベスト4」
2010-2011シーズンに当時シャルケに所属していた内田選手が記録したものだ。
移籍して最初のシーズンにも関わらず、不動の右サイドバックとしてプレーしていたこともあり、現在でも色褪せない記録となっている。
目次
CL:日本人選手の主な成績
翌2011-2012シーズンでは、当時CSKAモスクワに所属していた本田圭佑選手が、決勝トーナメントに進出し1回戦でレアル・マドリードと対戦。
本田選手はファーストレグは途中出場するも、セカンドレグは負傷のため欠場。2戦合計2対5で敗れ敗退となった。
またインテルに所属していた長友選手も、決勝トーナメントに進出し1回戦でマルセイユと対戦。
ファーストレグは途中出場となるも、セカンドレグはフル出場。2戦合計2対2となるもアウェーゴールの差で敗退となった。
最近の好成績では、2016-2017シーズンに香川真司選手が所属するドルトムント、岡崎選手が所属するレスターが準々決勝まで進出したことだろう。
ドルトムントはモナコと対戦し、2戦合計3対6で敗れ準々決勝敗退となったものの、香川選手はファーストレグ、セカンドレグ共にフル出場を果たし、ファーストレグでは1ゴール1アシストの活躍を見せた。
ただ、ファーストレグがドルトムントのホームで行われる試合前に「ドルトムント専用バス爆弾攻撃事件」があった。もしあんなことが起こっていなければ結果はどうなっていただろうか…。
一方、レスターはアトレティコ・マドリードと対戦し、2戦合計1対2で敗れ準々決勝敗退。
岡崎選手は、ファーストレグ、セカンドレグ共に先発出場するも、前半のみで交代となり不完全燃焼となった。
2015-2016シーズンにイングランド・プレミアリーグで奇跡の優勝を果たしたメンバーの大半がチームに残留していたとはいえ、CLベスト8の壁は厚かった。
EL:日本人選手の主な成績
ヨーロッパリーグの前身であるUEFAカップの頃だが、2001-2002シーズンに当時フェイエノールトに所属していた小野伸二選手が、決勝でドルトムント対戦し3対2で勝利しタイトルを獲得している。
ちなみに小野選手はこの試合に先発出場し、3対2と1点リードの後半40分までプレーした。
現体制のELでいえば、昨シーズン(2017-2018)にマルセイユの酒井宏樹選手が決勝に進出。決勝戦ではアトレティコ・マドリードに0対3と敗れたが、準優勝となっている。
酒井選手は怪我の影響もあり、決勝戦には間に合わせたが出番は与えられなかった。
なお準決勝の組み合わせが、マルセイユ対ザルツブルクとなり、南野拓実選手との日本人対決の期待もあったが酒井選手は怪我のため欠場。南野選手もセカンドレグのわずかな時間しか出場機会は与えられなかった。
2015-2016シーズンでは、準々決勝でドルトムント対リバプールが対戦。
香川選手はドルトムントのホームで行われたファーストレグで出番は与えられなかったが、セカンドレグは、先発出場し2対3と1点リードの後半32分に交代。
その後リバプールが逆転に成功し4対3で勝利。2戦合計4対5となりドルトムントが準々決勝で敗退となった。
この試合は選手以上に、元ドルトムントの指揮官でもあったクロップ監督に注目が集まった試合だった。リバプールの指揮官としてクロップ監督がシグナルイドゥナパルクに凱旋。
この時のドルトムントのメンバーはほとんどの選手が自身が監督として率いていた頃の教え子たちであったのも感慨深かった。
ドルトムントファンの多い日本人から見ても思い出深い試合ではないだろうか。
2018-2019シーズンCL,EL:参戦する日本人選手
【CL:2018-2019】
UEFAチャンピオンズリーグに出場できるチームに所属している日本人選手はわすか3選手。
◎香川真司 / ドルトムント(ドイツ)
◎長友佑都 / ガラタサライ(トルコ)
◎西村拓真 / CSKAモスクワ(ロシア)
【EL:2018-2019】
UEFAヨーロッパリーグに出場できるチームに所属している日本人選手はわすか5選手。
○長谷部誠 / フランクフルト(ドイツ)
○乾貴士 / べティス (スペイン)
○酒井宏樹 / マルセイユ (フランス)
○森岡亮太 / アンデルレヒト(ベルギー)
○南野拓実 / ザルツブルク (オーストリア)
今シーズンは合計8名の日本人選手がCL,ELに参加することになっているが、後世まで語り継ぎたいと思える試合はどれだけ生まれるだろうか。
そのためには試合に出場して、まずはグループリーグを突破することが前提となる。
CL,ELでレギュラーとして出場している選手は、その後日本代表で不動の地位を築いたといっても過言ではない。
海外リーグに移籍するだけの時代は終わった。
UEFA主催大会であるCL,ELで結果を出すことが、海外に挑戦する本当の意味になるのではないだろうか。
ビッククラブへの移籍でチャンスを掴み取るものよいが、リーグ戦を上位で終えて翌シーズンに参加するものも楽しみが増える。
だが、レギュラーシーズンの各リーグ戦を上位で終えるクラブに日本人選手が少ないことに、お気付きだろうか…。
2018:海外組が増える一方で感じる懸念事項(3)に続く。
コメントを残す