サッカー日本代表に必要な戦術オプション(2019年9月時点)

 2022年カタールW杯に向け、日本代表にとって新しい戦いが始まった。

 W杯2次予選の初戦を2対0と快勝し、アウェイながら良いスタート切ったように思うが、先日行われたパラグアイ戦を通して振り返ると、ベースとなるメンバーはある程度固まりつつある中、長い予選を戦う上でも、戦術オプションを増やす試みが試合を通じて感じることができた。

右サイドバックに冨安選手を起用

 9月5日に県立カシマサッカースタジアムで行われたパラグアイ代表との親善試合。
 後半開始から右サイドバックに酒井宏樹選手に代えて、前半にセンターバックでプレーしていた冨安健洋選手を回した。

 冨安選手が現在所属する、イタリア・セリエAのボローニャでは、4-2-3-1の右サイドバックで起用されていることもあり、そこまで違和感のない采配だったが、代表で見るとは考えてなかった。

 これまでも筆者は、日本の両サイドバックのコマ不足を懸念していた。
 右の酒井選手、左の長友佑都選手を越えていく選手が現れないからだ。

 しかし、右サイドバックにはFC東京の室屋成選手がこれまでコンスタントに招集されていたこともあり、本職の選手をそのまま起用すると思っていた。

 この狙いは、おそらくリードしている終盤に相手の猛攻を受けたとき、変則的ながらセンターバック3枚を並べる形を作り、パワープレーに対抗するという意図があるように思える。

 確かに、ヨーロッパや南米の強豪国と対戦すると、センターフォワードのフィジカルの強さに対応できずに失点するシーンはあった。ロシアW杯の決勝トーナメント1回戦でのベルギー戦を思い出してしまう。

 酒井選手は上背もあり、フィジカルも強いので不安視していなかったが、イエローカードやプレー中の怪我を考えれば、守備のオプションが1つとして準備することは必要だ。

 あとはW杯アジア予選中に、この采配が見れる時を待つことにする。

1トップから2トップへの変更

 日本の基本フォーメーションは「4-2-3-1」だが、守備の時は「4-4-2」になることはこれまでもあった。

 しかし、ミャンマー戦で2点リードしている状況で鈴木武蔵選手を投入し「4-4-2」に変えてきた。

 試合の流れを考えれば、アウェイで2点リードしている状況。あと1点奪えば勝負を決定づけることができる。
 またサイドにスピードのある伊東純也選手を1枚目の交代カードで投入していたこともあり、サイド攻撃から攻撃して、中の枚数を増やして仕留めるという意図は明確だった。

 ピッチコンディションやバケツをひっくり返すような雨が降っていた影響もあり、日本のストロングポイントであるパスを繋いで崩すサッカーが難しい状況もあったので、前線のターゲットを1枚増やすとロングボールも入れやすいメリットもあった。

 これまで2トップ待望論は少なからずあった。
 どうしても日本代表戦といえば得点力不足に悩まされた歴史がある。

 世界の主流は未だに1トップだが、ウルグアイ代表のスアレス選手とカバーニ選手の2トップのように破壊力抜群のコンビは健在だ。
 少し昔を振り返れば、2008 EUROで優勝したスペイン代表のビジャ選手とトーレス選手の2トップもあった。

 ミャンマー戦ではすぐに結果は出なかったが、2トップのオプションを持つことで、選手の組み合わせのバリエーションを増やし、得点力アップにつなげてほしい。

 余談だが、筆者の日本代表の歴史の中で1番記憶に残っている2トップの組み合わせは、三浦知良選手と中山雅史選手だ。

編集長の提案する1つの戦術

 それは大迫勇也選手をトップ下で起用することだ。

 これまで日本代表のトップ下といえば、ラモス瑠偉氏、中田英寿氏、中村俊輔選手、本田圭佑選手、香川真司選手といったタイプの選手が起用されてきたことを考えると、ストライカータイプの選手を中盤で起用するには悪手かもしれない。

 さらにチームのエースストライカーである大迫選手のポジションを1つ下げることで得点力が下がる懸念もあるが、中島翔哉選手など2列目の選手でも得点力が高い選手が多いので、さほど気にしていない。

 中央のポジションなら最前線でなくても大迫選手には適正があると考える。
 ミャンマー戦でボールをもらうためにポジションを下げてプレーしていた場面があったが、あの位置でボールが収まれば攻撃の選択肢は増えるので、相手守備からしたら厄介だ。

 相手にとって危険なエリアでボールを収めることができる。
 というメリットを考えて大迫選手のトップ下をお勧めしたい。

 問題は、現在の日本代表にとって大迫選手が4-2-3-1の1トップに君臨する絶対的な選手であり、代えの効かない選手だということだ。

 大迫選手の代わりとなる1トップに、浅野拓磨選手を推薦したい。
 1トップにポストプレーヤータイプを置くより、スピードスタータイプの選手を入れることで、相手のディフェンス陣はラインを下げざるを得ない場面の方が多くなるからだ。

 そうなるとアタッキングサードでスペースが生まれ、日本の最も得意とする中盤のパスワークが活きてくるだろう。

 ただ、現状では浅野選手よりFC東京の永井謙佑選手の方が適任かもしれない。
 浅野選手は今季から所属するセルビアリーグのパルチザンで結果を出せば、代表への扉は再び開かれるだろう。

 永井選手は6月に行われたエルサルバドル戦での2ゴールの印象が大きく残っている。大迫選手に代わって1トップに入り、ゴールという明確な結果を出した。

 この試合を観た時に、森保監督の中では1トップに足の速い選手を使うプランもあるのだと推測した。
 対アジア用の攻撃的戦術のオプションの1つとして検討しても面白いと考えている。

 今回の提案に基づいた基本フォーメーションは下記に表示している図の通りです。

※イレブン、フォーメーションについては賛否両論になるので、ご質問をお待ちしています。

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