日本代表:2018ロシアW杯特集(9)Jリーグ組で日本代表復帰に期待している3選手

 Jリーグ2018シーズンが開幕した。
 今年はロシアワールドカップが開催されるのでJリーグから何名の選手が代表に入るか楽しみである。このように書くと海外組中心のメンバーになるのは、既定路線ととらえてもらっても構わない。

 それには理由がある。昨年12月に行われたE-1選手権、国内組だけで臨んだ試合で韓国に大敗し2勝1敗の2位で終えたことが、悪いイメージのまま残っているからだ。クラブワールドカップ出場のため浦和レッズの選手を除いた状態だったとはいえ、それでもその時の国内組ベストメンバーだった。にもかかわらず、韓国に成す術がなく敗れた。それも日本国内で開催された試合でだ。

 「闘う選手」はいたのだろうか?と振り返ってみても判断が難しいくらい悩んだ。筆者が結論として出した答えは、この時試合に出ていた選手が3月に行われる親善試合で海外組を差し置いて選ばれるとはどうしても思えない。だった。

 しかし、その中でもJリーグでも期待できる選手は確かにいる。3月に行われる試合で代表復帰に期待したいJリーグ組3選手をまとめてみた。

■柏木陽介選手

浦和レッズの司令塔;柏木陽介選手。

 左足からの正確無比なキック精度も魅力的な選手だ。Jリーグ開幕戦ではチーム2位の11.588kmとなる走行距離を記録。さらにコーナーキックから槙野選手の同点ゴールをアシストした。「ポスト遠藤保仁」といわれたポテンシャルは、昨シーズンACL制覇したことで更なる成長が感じられるとみている。

■太田宏介選手

FC東京不動の左サイドバック;太田宏介選手。

 左利きの左サイドプレーヤーは現在の代表メンバーにはいないタイプなので、希少価値の高い選手だと私は考えている。そしてフリーキックという武器もある。ディフェンスの選手であの放物線のフリーキックを蹴れる選手はそんなにいない。オランダ1部リーグ、フィテッセでプレーした経験は必ず代表で活きてくるとみている。

■内田篤人選手

鹿島アントラーズの右サイドバック;内田篤人選手。

 最後にこの選手を取り上げたい。ACLとJリーグの試合をチェックしたが、ブランクを感じさせないプレーだった。特にACLで「闘えていた選手」だったのはドイツでの経験が生かされているからだろう。まだまだコンディションはあがるはずだ。右サイドバックは酒井宏樹選手がレギュラーで確定だと思うが、内田選手にもまだチャンスはあるとみている。

□あとがき

 候補に出した3選手は、個人的に「相手と闘える選手」だと思っている。選出基準になった理由は、今の代表に足りないタイプの選手が、左利きのプレースキッカーとサイドバックのバックアップメンバーだと認識しているからである。

 現代表においてサイドバックは、右に酒井宏樹選手。左は長友佑都選手。この2人がファーストチョイスで間違いないだろう。しかし、バックアップメンバーとして控えにしておくにはもったいないと思えるサイドバックの選手が現代表には見当たらない。

 なぜそこまで問題視しているのかというと、グループリーグ最終戦は2戦目から現地時間中3日で行われる強行日程となっている点だ。3戦目ということで累積警告による出場停止も考えられる。特にディフェンスの選手はなおさらだ。もし仮に最終戦の結果次第で決勝トーナメント進出の可能性がある場合に、ユーティリティープレーヤーを置くのも良いが、本職の選手を起用することがベストだと考えているので、4-3-3のフォーメーションのみで本大会を勝ち抜くなら、23人のメンバーの中に本職がサイドバックの選手を4人は入れてほしい。

 セットプレーのキッカーを任せられる選手を候補に出したこと、それは今の代表のウィークポイントだからだ。そもそも左足のプレースキッカーが不足していることが話題にならないのはおかしい。

 代表戦ではセットプレーからの得点が多い時代があったが、当時は中村俊輔選手、遠藤保仁選手といった確固たるプレースキッカーがメンバーにいたからだ。今の代表は誰が蹴っても以前より期待できなくなってしまった。良い位置でフリーキックのチャンスを得ても得点に繋がっていない印象がある。

 昨年11月に行われた海外遠征で生まれたゴールは、ブラジル戦のコーナーキックからの1点だけだったのを忘れてはならない。強豪国と戦う時、流れの中から得点を奪うことは難しい。W杯グループリーグ3試合を全試合スコアレスドローでいっても勝ち点3では自力での決勝トーナメント進出は不可能だ。堅守速攻のサッカーで勝ち点3を取るために、セットプレー、フリーキックのチャンスの場面で得点が取れるようにプレースキッカーとしての能力を備えた選手も選出してもらいたいと願う。

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