日本代表:Road to カタール(27)W杯アジア2次予選/タジキスタン戦マッチレポート

 2022カタールW杯2次予選の3戦目、アウェイで行われたタジキスタン戦。
 モンゴル戦から先発メンバーを4人入れ替えて挑んだ一戦だったが、スコア以上に難しい試合となった。

マッチレビュー

日本代表 3-0 タジキスタン代表

日本代表のフォーメーション

()内は交代出場した選手

フォーメーション:4-2-3-1
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        鎌田大地
       (永井謙佑)

 中島翔哉   南野拓実   堂安律
(浅野拓磨)  (久保建英)

     柴崎岳   橋本拳人

長友佑都 吉田麻也 植田直通 酒井宏樹

        権田修一

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【得点者】

後半 8分;南野拓実
後半10分;南野拓実
後半37分;浅野拓磨

【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :61%
シュート数  :23本
枠内シュート :11本
パス成功率  :85%(601本)
オフサイド  : 1回
フリーキック : 9本
コーナーキック: 5本

<スタジアム/現地情報>
スタジアム:ドゥシャンベ・セントラル・スタジアム
観客数  :19,100人
天候   :晴れ
気温   :23.0℃
湿度   :27%

【編集長の考察】

 アジア予選はホーム&アウェイで行われるので、気候、芝、スタジアムの雰囲気にケチをつけるつもりはない。

 しかし、試合の入り方はアウェイといえど褒められたものではなかった。
 前半からタジキスタンが主導権を取って攻めてくることに対して、防戦一方。といってもマークにはついているし、1対1の場面では負けてないので失点の雰囲気はしていなかった。

 球際は五分五分で、日本が主導権を奪う時間帯は少なかった。パスコースを読まれていたのかはわからないが、パスカットされるシーンが目立った。これは芝がどうこういうものではない。タジキスタンのスカウティングの賜物だと思っている、

 それでも日本が優位にいるのは変わらないと信じていた。
 理由は肉弾戦では差がなくてもプレー技術の差は歴然だったからだ。

 では、なぜ日本はタジキスタンに合わせてしまったのだろうか?
 常に100%のプレーで前半開始から勝負を仕掛けてくる相手を交す手段を日本代表は持っているはずなのにだ。

 ピッチをワイドに使ってボールの取りどころを決めさせず、相手を走らせて消耗させて後半勝負でも良かった。
 後方からのロングボールで攻撃に転じるシーンはあったが、逆サイドへのサイドチェンジはほとんどなかったように思う。アウェイの試合では難しいと簡単に片付けて良いのだろうか。

◆先制点が奪えたのは経験の差
 前半をスコアレスで折り返し、後半もタジキスタンは前半の勢いのまま攻勢に出てきた。

 シュートで終わるところまで出来ていたので、意識が攻撃に向きすぎていたのだろう。惜しいシーンだと余計に切り替えが遅くなるものだ。

 そこを日本は見逃さなかった。
 サイドの高い位置で中島選手が自由にボールを持つと、サイドに意識がいった守備陣のウラをついて南野選手がゴール前でフリーになる。そこに中島選手からのセンタリングに南野選手が頭でピタリと合わせて、見事に先制点を奪った!

 先制点からわずか2分後、中央で弾かれたセカンドボールを拾ってサイドに展開すると、酒井選手のグラウンダーの速いセンタリングにまたも南野選手が合わせて、畳み掛けるように追加点を奪った!

 この時間帯は、アジアを代表してW杯に出場している強い日本を示せていた。いくらアウェイといえど自分達に流れが来る時間帯がある。そこで仕留めれたことで残り時間の30分を優位に進めることができると思っていた。

◆2点リードして集中力が切れてしまったのは日本代表の方
 2点リードしてタジキスタン側の集中力が切れて、あとは日本のボール回しから隙をついて追加点の流れを疑わなかったが、先に集中力が切れたのは日本の方だった。

 セカンドボールを奪えず、ミスから危ない場面も作られる。タジキスタンも得点のチャンスが増えればホームの声援も重なって息を吹き返してきた。

 日本が停滞した時間帯に選手交代を行ったのは、良い采配だった。
 2点リードしている状況で浅野選手、永井選手を投入したのは、3点目を取ってとどめを刺せ。というベンチからの明確な指示だ。

 ミャンマー戦ではとどめの3点目を奪えなかったが、この試合は途中出場した浅野選手が一発回答を出した。浅野選手は今後スーパーサブ枠として招集されるチャンスはつかんだと思う。
 
 先発でワントップも見たいが、同タイプの永井選手がどちらかというと先発で起用した方がパフォーマンスが良いと見ている。

 スピードスタータイプのFWがW杯アジア予選で日本代表の救世主となることを、サッカー日本代表の歴史が教えてくれている。

◆露呈した日本代表の欠点
 この試合で中島選手、南野選手、堂安選手の2列目は「大迫勇也選手がワントップに入らなければ機能しない」ということが改めて証明されてしまった。

 前線での連動性が皆無だったのは、中島選手、堂安選手が囲まれてもボールを持ち過ぎたこと。ポストプレーヤー不在で前線の起点を失っただけで、創造性のあるプレーを欠いたように見えた。

 結果的に南野選手が孤立。
 さらに悪いことに南野選手と鎌田選手の動きがカブってしまい、2人とも前半の序盤は試合から消えていた。

 南野選手は、接触プレーで右足首をやられた後は、やっと試合に入ってきて存在感を発揮し始めた。
 右サイドが起点となっていたことで、左サイドの中島選手が中央寄りにポジションを取っていたこともあり、左サイドに流れてボールを受けるようになってからは良くなった印象だ。

 鎌田選手もボールロストから、権田選手のファインセーブがなければ失点の起点となったプレー以降、徐々に存在感を出してはいたが、南野選手との共存は出来なかった。代表に残るためにはトップ下で結果を出すしかないので、南野選手とのポジション争いになる。

 日本を研究してきた相手に対して、仮に大迫選手が出場できていたとしても、機能していたかどうか。アウェイとはいえアジア2次予選でこの体たらくでは先が思いやられる。

 スコアレスのまま試合が進んでいた時間帯は、正直なところタジキスタンの方がデュエルの部分では日本を上回っていた。もし先制されていたら、タジキスタンが序盤から見せたプレーを90分維持できたら、勝ち点3も怪しかったのではないだろうか。

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FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ