日本代表:Road to カタール(39)W杯アジア2次予選/モンゴル戦マッチレポート

COVID-19の感染拡大の影響を受け2020年に予定されていたW杯アジア2次予選は全て延期となっていたが、2021年から再開が決まり、モンゴル戦から2022年カタールW杯出場権獲得に向けての再スタートとなる。

2019年11月14日、アウェイで行われたキルギス戦以来のW杯アジア2次予選だが、日本はここまで4戦4勝と無敗で来ている。

この試合は本来ならモンゴルのホームで行われるはずだった。
現在の社会情勢を踏まえて日本開催となったのだが、日本代表はアウェーチームの扱いとなったためアウェイユニフォームを着用して試合に挑むことになった。

モンゴルはFIFAランクでは格下になるけど、取りこぼしだけは避けたい一戦だ。

引いた相手をどう崩すか

縦パスを入れるタイミング

収穫と課題

この3つのポイントを中心にモンゴル戦を振り返る。

【編集長の考察】

引いた相手をどう崩すか

W杯アジア2次予選で日本と対戦するチームは引いて守ってくるチームがあり、攻めあぐねる展開になる試合も多い。

この試合も立ち上がりは、相手の守備のブロックに跳ね返される場面も多かった。
サイドを起点に攻撃を仕掛けるも中央を固められているため、どうしてもゴールに直結するようなシュートまで持ち込むことが難しい。

長身FWやフィジカルが強いパワーFWがいれば、ハイボールのセンタリングから空中戦を仕掛けるとか、ドリブルでゴリゴリに仕掛ける方法もあるが、現代表では両サイドをワイドに使って相手ディフェンダーを動かし中央にスペースを作り、シュートまで持っていくことが理想だろう。

理想的だったのは、1点リードの前半23分に大迫選手が決めたゴールまでの一連の流れ。
吉田選手から縦パスが入り、南野選手がスルーして、大迫選手がトラップしながら反転し、前を向いてゴールキーパーとの1対1を制して奪ったゴールだった。

縦パスを入れるタイミング

このゴールは、吉田選手から縦パスが入らなければ生まれていなかった。

ただ、縦パスは入れるタイミングを間違えると相手にカットされてカウンターを受けやすい。それでも引いた相手に対して、ゴールまでの道筋が見える瞬間が縦パスが入った時だ。

引いた相手に対して、サイドから同じような攻撃をしていると相手も守ることになれてしまうのでサイド攻撃の威力が半減するが、効果的に縦パスを入れることで相手も守る時に視る範囲を絞り切れない。中央に人が集まれば、サイドへの警戒が薄れて、サイド攻撃が再び活性化できる。

これを繰り返すことで、ブロックを敷いている相手ディフェンスのスペースを作り出すことで、ボールを受ける位置が生まれ、攻撃に連動性があれば一気にゴールに迫れるということだ。

この縦パスを入れる役割を担うのが、本来ならばボランチの選手になるのだが、相手も警戒するので簡単には繋がらない。引いた相手に対しては、ディフェンスもライン上げて攻撃参加しているので、センターバックの選手から入ることもある。最終ラインから前線へ供給されるボールの質が得点に直結する場面も今後増えてくるだろう。

収穫と課題

大量得点を奪ったことよりも無失点で終えたことを評価したい。

ここまでW杯アジア2次予選を5試合を行ったが、無失点は継続できている。
この試合のように大量得点にもなれば集中力が切れて一瞬の隙きを付かれて失点することが多いのだが、後半途中に吉田選手、冨安選手と不動のセンターバックを2枚も交代させても、守備が崩れなかったのは評価できる。

課題は、チームの軸となる選手が抜けた時に同等のパフォーマンスが出せるか。
大迫選手、遠藤選手、吉田選手と冨安選手は既に代えが効かない存在になっている。

1トップ、ボランチ、センターバックと縦のセンターラインは軸が出来ているので、初招集の選手が入ってきてもチームとして機能しているが、この4選手の誰かが欠けると機能しなくなる可能性がある。歴史的スコアでの大勝の裏で敢えて課題を上げるならここくらいだろう。

あとがき

公式戦ではあるが、この試合は交代は5人まで認められていたこともあり、後半から新しいオプションを試したようだ。

◆フォーメーション:4-1-4-1
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        大迫勇也

浅野拓磨 南野拓実 鎌田大地 伊東純也

        遠藤航

小川諒也 冨安健洋 吉田麻也 松原健

        権田修一

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遠藤選手をアンカーに置いて前線を厚くしてより攻撃的な布陣にした。

引いて守ってくる相手に対しては効果的かと思ったが、前線に人が集まり過ぎてしまい、自分たちでスペースの奪い合いになってしまったこともあり、20分程度しか試せず、4-2-3-1の基本フォーメーションに戻した。

前半を5点リードして折り返したわけだから、後半45分間を通して4-1-4-1を試して欲しかった気もするが、親善試合ではなくW杯予選だったことも影響したのだろう。

マッチレビュー

日本代表 14-0 モンゴル代表

【日本代表:得点者】
前半13分;南野拓実
前半23分;大迫勇也
前半26分;鎌田大地
前半33分;守田英正
前半39分;オウンゴール
後半10分;大迫勇也
後半23分;稲垣祥
後半28分;伊東純也
後半33分;古橋亨梧
後半34分;伊東純也
後半42分;古橋亨梧
後半45+1;浅野拓磨
後半45+2;大迫勇也
後半45+3;稲垣祥

日本代表スターティングイレブン

【フォーメーション:4-2-3-1】

()内は交代出場した選手
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        大迫勇也

 南野拓実   鎌田大地   伊東純也
(古橋亨梧)  (稲垣祥)

     遠藤航   守田英正
           (浅野拓磨)

小川諒也 冨安健洋  吉田麻也  松原健
    (畠中槙之輔) (中谷進之介)

        権田修一

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【日本代表スタッツ】

ボール支配率 :68%
シュート数  :35本
枠内シュート :24本
パス成功率  :86%(779本)
オフサイド  : 8回
フリーキック : 4本
コーナーキック:12本

【スタジアム/現地情報】

スタジアム:フクダ電子アリーナ
観客数  :無観客
天候   :曇り
気温   :17.0℃
湿度   :80%

◆招集メンバー(23名)

※選手名敬称略。

[GK]

1.西川周作(浦和レッズ)
12.権田修一(清水エスパルス)
23.前川黛也(ヴィッセル神戸)

[DF]

22.吉田麻也 (サンプドリア/イタリア)
19.佐々木翔 (サンフレッチェ広島)
2.松原健  (横浜F・マリノス)
13.山根視来 (川崎フロンターレ)
4.畠中槙之輔(横浜F・マリノス)
20.中谷進之介(名古屋グランパス)
3.小川諒也 (FC東京)
16.冨安健洋 (ボローニャ/イタリア)

[MF]

8.稲垣祥 (名古屋グランパス)
7.江坂任 (柏レイソル)
6.遠藤航 (シュトゥットガルト/ドイツ)
14.伊東純也(ヘンク/ベルギー)
10.南野拓実(リバプール/イングランド)
11.古橋亨梧(ヴィッセル神戸)
5.守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)
17.脇坂泰斗(川崎フロンターレ)
21.川辺駿 (サンフレッチェ広島)
9.鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)

[FW]

15.大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)
18.浅野拓磨(パルチザン/セルビア)

【辞退】

坂元達裕(セレッソ大阪)※怪我
原川力 (セレッソ大阪)※怪我

ABOUTこの記事をかいた人

FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ