サッカー日本代表システム総論2022:フォーメーション(3-5-2)

W杯イヤーとなる2022年、カタールW杯は11月21日から12月18日での日程で行われる予定となっている。
ただ、日本代表がW杯出場権を獲得したわけではないので、日本が最終予選で敗退してしまうとW杯イヤーの盛り上がりは皆無に等しいことは容易に予想できる。

なぜこんなネガティブな文章になるのかというと、現在行われているW杯アジア最終予選で日本代表が苦戦しているからだ。
初戦ホームでオマーン戦に敗れてしまい勢いに乗れず、アウェイのサウジアラビア戦ではミスから失点して敗れるなど、一時期は自力突破も危ぶまれた事態に追い込まれていた。

それでもなんとか意地を見せて、2021年11月17日時点で4勝2敗(勝ち点12)とグループ2位に返り咲き、本大会ストレートインを狙える位置まで上がってきた。
2021年1月27日には中国と2月1日にサウジアラビアとホーム2連戦がある。そして3月24日に予定されているアウェイでのオーストラリア戦がカタールW杯出場権をかけた大一番になるだろう。

この3試合は1つも落とせないので、そのために日本代表はどういう戦術を取れば良いのかフォーメーションをテーマに考えてみた。

フォーメーションA【4-2-3-1】

森保体制になってから基本フォーメーションは4-2-3-1のままだった。
2019年のアジア杯で準優勝、W杯アジア2次予選は難なく突破と結果を残してきていたが、最終予選に入った途端、相手チームの対策もあり機能しているとは言えない。

        大迫勇也

  南野拓実  久保建英  伊東純也

     遠藤航    田中碧

長友佑都 冨安健洋 吉田麻也 酒井宏樹

        権田修一

攻撃は1トップの大迫選手にボールが入らないと2列目の選手たちと連動出来ないため、相手はセンターバック2枚で1トップのところに縦パスが入る瞬間に潰しに来ている傾向にある。

そのためサイドを中心に組み立てることになるのだが、伊東選手のスピード、三笘選手のドリブル、この2つのパターンしか相手守備を崩すことが出来なかったのは、チームとして攻撃が機能していないようなもの。最終予選6試合を終えてここまで5得点と得点力不足が露呈しているのはある意味で納得だ。

フォーメーションB【4-3-3】

1勝2敗で迎えた4戦目、ホームで行われたオーストラリア戦、ここで敗れれば大陸間プレーオフも厳しくなる可能性もあった中で従来の4-3-2-1から4-3-3へシステム変更を行った。

        大迫勇也
 南野拓実         伊東純也

    守田英正    田中碧

        遠藤航

長友佑都 冨安健洋 吉田麻也 酒井宏樹

        権田修一

中盤でボールを奪ってからのショートカウンターで、下がらずに前に行けたこと、裏へのスペースを有効に使えた点では良かった。
4-2-3-1の時よりボール保持率は下がるが、堅守速攻を軸にしたことで定評のあった守備はより安定感を増し、スピードのある選手を起用してポストプレーに頼らない攻撃の形を示すことはオーストラリア戦では出来ていた。

11月のベトナム、オマーンとのアウェイ2連戦でも4-3-3が継続され守備は安定していたものの、攻撃陣が停滞したため後半から従来の4-2-3-1に戻すなど試行錯誤の中で戦っているように思えた。

フォーメーションC【3-5-2】

3バックに2トップ。近年の日本代表では採用されていないフォーメーションだが、1998年フランス大会でW杯初出場となった時は3-5-2を採用し自国開催となった2002年日韓大会でも3-5-2だった。2006年以降は4バックが日本代表のフォーメーションとして定着しているが3バックをオプションとして採用できる歴史はある。

2トップは得点力不足解消と前線で攻撃の起点を作ることが求められる。
相手が4バックだった場合、1トップだと両センターバックに囲まれてしまい起点が作れることが難しくなる。不動の1トップの大迫選手がアジア最終予選でもキープ出来ない場面も出てきているので、前線を2枚にして起点を2つ作ることが必要だ。

  オナイウ阿道    古橋亨梧
   (原大智)      (前田大然)

        久保建英
        (中島翔哉)
        (南野拓実)

 三笘薫           伊東純也
(奥川雅也)           (室屋成)
(伊藤洋輝)          (橋岡大樹)

     遠藤航     田中碧
    (守田英正)   (原口元気)
      (中山雄太)   (川辺駿)

  板倉滉   吉田麻也  冨安健洋
  (伊藤洋輝)  (板倉滉)   (植田直通)
  (中山雄太)

        権田修一
        (谷晃生)

あくまで2022年カタールW杯でベスト8を越えるためのウルトラC作戦として想定したものを作成した。その中で浮上した課題は両ウィングバックの人材が不足していることだ。

ファーストチョイスになる伊東選手、三笘選手は問題ないだろう。両選手は自分の前にスペースがある方がスピードとドリブルを活かしやすいので、より個の力が発揮できるはずだ。

一方でバックアップメンバーが本職ではない選手の起用になってしまう。
左サイドの奥川選手は三笘選手とプレースタイルは異なるが攻撃的なプレーが特徴的だが、伊藤選手のサイド起用は未知数なところが多い。右サイドはサイドバックを主戦とする選手の起用になるため守備的になってしまうと、攻撃が左サイドに偏ってしまい相手から見れば守りやすくなる。

また両ウィングバックで起用している選手が上下運動を繰り返すことでスタミナが90分持たないことが想定される。戦術的な特徴としてサイド攻撃があるので走行距離は必然と長くなるしスプリント回数も増える。特に日本代表は75分までしか世界の強豪国と対等に渡り合うことが出来ないといったデータも存在するので、プレー強度を90分を通して意地しなければならない問題も抱えている。

そのために交代カードをどう活用するかがベンチワークの重要課題になるのだが、レギュレーション問題が日本代表にとってプラスに傾くこともある。
新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大以降、2020年から一時的に交代枠は5人、交代回数はハーフタイムを除いて3回まで認められるルールが出来た。

現在でも代表戦では、このルールが適応されており、1回の交代で2枚替えを行えば、交代カードを2回切れて3選手の交代が可能になっている。
従来のルールではもし両ウィングバックへの交代でカードを2枚切ってしまったら、残り1枚をどう使うかで頭を悩ませるところだったが、カタールW杯でも交代枠5人のルールが適応されるならフォーメーション3-5-2に挑戦する価値はあると考える。

あとがき

3-5-2のフォーメーションが構想だけではなく、実際に戦術として採用可能と思ったのは「海外組日本人選手2021-2022シーズン前半戦総括レポート」を書いているときだ。

いろいろなデータを検証していく中で、海外リーグで出場機会を得てさらに結果を出している選手を集めてその選手たちが最もハマる戦術が、現時点で最も強い日本代表ではないかと考えた。

これから日本代表と対戦する相手国は4-2-3-1と4-3-3の対策をして試合に臨んでくるだろう。その時の奥の手として、またはカタールW杯本大会に出場してベスト8の壁を突破するために、3-5-2のフォーメーションがチーム戦術のオプションの1つとして機能すれば日本代表の快進撃の可能性もゼロではない。

現在の日本代表は海外組が中心となっているので、海外リーグで結果を出すことが日本代表への最短ルートといっても過言ではない。2021-2022シーズン冬の移籍市場で、国内組の選手の多くが海外リーグへの挑戦を決めており、ここまで代表に縁が無かった選手が抜擢されて活躍することになれば代表チームの選手層を厚くすることに繋がる。

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FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ