クラシコ祭りにみる日本での不自然な盛り上がり方に疑問がある

 『クラシコ祭』私はこの言葉に違和感を持った。

 2017年12月23日、スペイン・リーガエスパニョーラ(ラ・リーガ)にて、レアル・マドリード対バルセロナの試合が日本時間21時開始ということもあり、日本でもパブリックビューイング(PV)が開催されて盛り上がったようだ。

 私のSNSの中も「#クラシコ祭」でにぎわっていたが、そこまでの感情は生まれていなかった。ましてやこの日は日本にいて、レアル・マドリードのホームスタジアム「サンティアゴ・ベルナベウ」の前にいるわけではないのだから。

 レアル・マドリードとバルセロナのエル・クラシコは盛り上がるのはサッカー通にとってはある意味自然体のことで、何もわざわざお祭り感を出さなくても観る人は観る試合という位置付けだった。

 「クラシコ祭」という言葉に違和感を持ったが、疑問に思ったのは日本時間21時キックオフということだ。スペインではランチタイム。エル・クラシコの長い歴史の中でもランチタイムキックオフは今回が初めてだった。クラシコをわざわざ日本時間21時キックオフにする必要があったのだろうか?

アジア市場開拓のため?

 エル・クラシコのランチタイムキックオフは、明らかにアジア市場を意識したものだろう。
 12月9日に行われたヘタフェ対エイバルの試合においても、柴崎選手と乾選手の日本人対決の可能性があり、日本人ダービーキャンペーンという名目で日本にむけたプロモーションになっていた。試合開始時間も日本時間21時に設定され、この試合に限ってはアジアではなく日本市場を強烈に意識していた。

 バルセロナの胸スポンサーに「Rakuten」が入ったことも少なからずアジア市場開拓を後押ししているのかもしれない。2018年に入って楽天のバルセロナ関連プロモーションはさらに加速しているように思う。一例だが、楽天カフェ渋谷公園通り店3階で、2018年1月19日から3月31日まで1980-81シーズンから2013-14シーズンに選手が実際に着用した歴代ユニフォーム48着が展示される。さらに楽天スーパードリームキャンペーンとして「エルクラシコ観戦ツアー」が当たるキャンペーンを行っている。日本にはバルセロナサポーターが多いため、効果的なイベントとなるだろうと予測している。

DAZNには感謝したい

 話をクラシコの試合に戻そう。
 ファン・サポーターにとって1番楽しみしているのは試合であることを忘れてはならない。フットボールを観て楽しむというのが絶対条件だ。

 この試合は川崎フロンターレの中村憲剛選手がゲスト解説を務めた。Jリーグがオフシーズンに入っていたこともあり現役選手による解説が実現した。個人的な意見だが、水沼さんの解説は個人的に好きなので中村選手とのダブル解説は聴いていて楽しかった。

 実況と解説者の解説だけではいつものサッカー観戦スタイルと変わらない。そこに現役選手の解説が加わるだけで、1つ1つのプレーを別の視点で捉えることができた。

 普段解説者はプレーの1つ1つに感情を載せないで解説する人が多いが、現役選手だけに良いプレーにはそれなりの感情が入っていたところは共感を持った。オフシーズンや中断期間しか実現は難しいが、今後もチャンスがあれば起用してもらいたい。

あとがき

 あくまで1つの意見だが、「クラシコ祭」が出来たなら、2017年ACL決勝、埼玉スタジアムで行われたセカンドレグの時も関東以外でもPVの場を作ってくれても良かったと思う。そして日本時間早朝3時45分キックオフのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝でもPVを行える整備を整えてもらいたい。

 バルセロナのホームスタジアム「カンプ・ノウ」で行われるエル・クラシコは、2018年5月6日に開催される。日本でどのように盛り上がるか期待したい。私はDAZNでのんびり観戦予定だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です