2020東京五輪アジア最終予選となるAFC U-23選手権のグループリーグを2連敗で既に敗退が決定している日本代表は、最終戦でU-23カタール代表と対戦した。
マッチレビュー
U-23日本代表 1-1 U-23カタール代表
<スタジアム/現地情報>
スタジアム:タンマサート・スタジアム
観客数 :1,362人
天候 :晴れ
気温 :28.0℃
湿度 :41%
日本代表のフォーメーション
()内は交代出場した選手
フォーメーション:3-4-2-1
===================
小川航基
食野亮太郎 旗手怜央
(田川亨介) (齊藤未月)
杉岡大暉 相馬勇紀
(松本泰志)
田中碧 田中駿汰
町田浩樹 立田悠梧 橋岡大樹
大迫敬介
===================
【日本代表:得点者】
後半28分;小川航基
【日本代表スタッツ】
ボール支配率 :51%
シュート数 : 8本
枠内シュート : 3本
パス成功率 :82%(529本)
オフサイド : 1回
フリーキック :15本
コーナーキック: 2本
【編集長の考察】
本来なら、グループリーグの山場はカタール戦で、最低でも1勝1分の勝ち点4で迎え、勝ってグループリーグを突破し2019アジア杯決勝のリベンジを…なんて大会間に描いていた青写真は最初から無かった。
アンダー世代とはいえ、昨年のアジア杯決勝カードのチーム同士とは思えない、なんともがっかりした試合だった。
課題は明確
最終ラインからのつなぎが雑だから、前線からのハイプレスでボールを奪われる。ビルドアップの部分で目に余るプレーは多かった。
最終ラインでのパス回しもボールスピードが遅く何度も狙われていたし、GKへの安易なバックパスはかなり危険だった。グループリーグ3試合を通じて、最後まで修正できていなかった部分だ。
さらに全体が間延びしているため、ボールも上手く回らないし、フォローに行くにも微妙に距離が遠い。もっと全体をコンパクトに保つことが出来れば、パスもつながりやすいはずだが…。
攻撃の部分でもボールを持ってからの球離れが遅いため、引っ掛かってカウンターを受ける悪循環。足元の技術は高いのだが、プレーでの選択ミスが多かったように思う。
東京五輪までメンバー入りを争う前に、自身のプレーと向き合う必要があると考える。
VARとは?
この試合、不可解なシーンが2つあった。
前半アディショナルタイムに、田中碧選手がボールにいって相手の足を踏んでしまったプレーがVARの進言を受けることになり、このプレーがレッドカードの判定が下され1発退場となってしまった。
確かにボールにいった後に相手の足を踏んではいたし、スパイクの裏も角度によっては見えていたが、カードを出すにしてもイエローカードまでだろう。
日本が後半28分に先制し、迎えた後半34分にカタールの選手がペナルティエリア内で倒されてPK獲得。
しかし、日本の選手が審判に猛抗議にいった。
VARから審判に対して無線を通じて進言は受けていたようだが、このプレーに対してVARの映像を確認にも行かずにカタールにPKを与えた。
VARの映像は中継映像にも流れたが、蹴られたのは日本の選手であって、カタールの選手はただ倒れただけ。通常ならシミュレーションでイエローカードを提示され、PKは回避されるのが通常の判定と考えるのだが、結果としてVARが試合を完全に壊してしまった。
森保監督の進退はどうなる?
U23日本代表は、2敗1分でグループBを最下位で大会を去ることになった。結果論だが今大会は1勝もできなかった。
シリア戦後、2連敗で敗退が決まったときに森保監督解任論が流れた。昨年のE-1で韓国に敗れて準優勝に終わったことで起こった火種が一気に再燃した形だ。
A代表と五輪代表の兼任がそもそも無謀と言う意見もあるが、タイの西野監督も兼任。カタールのサンチェス監督も兼任だけど、2022W杯が自国開催だから2000年のトルシエ体制時と似ている。
U23日本代表の低迷は、仮に森保監督を解任または兼任解除になったとしても簡単に解決する問題ではないのかもしれない。
では、監督を変えてどうするのか?
私は兼任解除になっても仕方ないと見ている。ただ、A代表はW杯アジア2次予選で結果を出しているので森保監督の続投を希望する。
もし森保監督が解任されてしまったら、U23代表では3バックが主体になっているので、元日本代表監督のザッケローニ氏を招聘しても面白いと思う。
ハリルホジッチ氏のように不可解な幕引きがないことを祈る…