マッチレポート
本大会の初戦らしい硬さが目立つ前半だった。自国開催だから初戦が難しいのか、自国開催だからこそ余計に初戦が難しくなったかはわからない。
普段ではあまり見られない連携ミスもあり、日本の方が自国開催ということもあり気負っているような印象を受けた。南アフリカが守備を固めてきたことでボールを持てる時間帯が多く、日本のペースで試合を作れていたが最後のところで得点に繋げることができなかった。
日本のフィニッシュ精度が問題というより、南アフリカがしっかり守っていた印象。ただ守るだけではなく時間帯によってはあわやというシーンも作り出していたので、戦術としては南アフリカの方がハマっていた。
日本はサイドで攻撃の起点は作れているけど、そこからもう1つアイデアが欲しかった。単純に中に入れるプレーが多かったので、時間が進むにつれて相手ディフェンダーが慣れているようにも思えた。
試合が動いたのは後半26分、久保選手が「個」の力でこじ開けた。
自分の得意ゾーンで完璧なトラップからドリブルで切り込むと左足を振り抜いてゴール決めた!試合として苦しい流れになっていた時間帯での待望の先制点を奪えたことで、チームが息を吹き返すことができた。
1点リードしたとはいえ、日本が試合の主導権を握ったとはいえない試合展開が続いた中で、オーバーエイジ3選手がチームに安定感をもたらせていた。特に1点リードで迎えた後半34分、南アフリカがメンバー交代を行い、交代選手を起点にカウンターから攻勢を仕掛けていた場面での酒井選手の危険察知能力は抜群だった。
ベンチワークで良かったのは後半27分に中山選手に代わって旗手選手を投入した左サイドが機能せず、南アフリカに崩されて決定的な場面を作られるシーンがあったが、そこから躊躇せずに町田選手を投入しディフェンスラインの安定を優先したところだ。
4枚目の交代カードを切ったわけだが、本大会は5人まで選手の交代が認められている中、選手交代のタイミングが試合を大きく左右することになるかもしれない。
ただ、試合の締め方も選手間で意思統一出来ていたのか気になった。
後半アディショナルタイムに突入した時、前線でボールをキープするなり、ペースを落として時間稼ぎをするといったプレーよりも追加点を狙いに行くプレーを選択していたが危うい印象を受けた。
個人的にはにはアディショナルタイムに突入した時点で1点を守り切るプレーにシフトする必要があったと考える。
その他ファン・サポーター目線からだと、レフリーのポジショニングやファールの基準、カメラワークの近さなどテレビで見ているだけでもイライラしてしまう試合だったが、初戦で勝ち点3を取れたことは大きい。
もう1つ気になったのはイエローカードをもらった枚数。日本はこの試合だけで3枚ものイエローカードをもらってしまった。
中盤の要の遠藤選手、攻撃の軸の堂安選手が1枚ずつイエローカードをもらってしまったが、カードが出るような激しいプレーでは無かったように見えたのでモヤモヤが残った。またベンチに下がった中山選手がレフリーへの暴言かなにかでイエローカードをもらっていたが流石にもったいなかった。
初戦なので課題ばかり浮き彫りになったが、この試合をピークに持ってきていないので心配はしていない。これから徐々にコンディションを上げて、決勝トーナメントで格上を相手にした時にベストな試合を見せてもらいたい。
マッチレビュー
U-24日本代表 1-0 U-24南アフリカ代表
【得点者:日本代表】
後半26分;久保建英
U-24代表スターティングイレブン
【フォーメーション:4-2-3-1】
()内は交代出場した選手
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林大地
(上田綺世)
三好康児 久保建英 堂安律
(相馬勇紀) (町田浩樹)
田中碧 遠藤航
中山雄太 板倉滉 吉田麻也 酒井宏樹
(旗手怜央)
谷晃生
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ベンチメンバー
[GK]
1.大迫敬介(サンフレッチェ広島)
[DF]
13.旗手怜央(川崎フロンターレ)
15.橋岡大樹(シント・トロイデン/ベルギー)
20.町田浩樹(鹿島アントラーズ)
[MF]
16.相馬勇紀(名古屋グランパス)
[FW]
9.前田大然(横浜F・マリノス)
18.上田綺世(鹿島アントラーズ)
日本代表スタッツ
ボール支配率 :53%
シュート数 :13本
枠内シュート : 5本
パス成功率 :85%(599本)
オフサイド : 4回
フリーキック : 7本
コーナーキック: 6本
スタジアム/現地情報
スタジアム:東京スタジアム
天候 :晴れ
気温 :27.0℃
湿度 :72%
今後の日程
本大会(グループリーグ)
7月25日(日)U-24メキシコ代表
7月28日(水)U-24フランス代表
あとがき
同グループのメキシコ対フランスの一戦は、4対1でメキシコが勝利した。これで2戦目のメキシコ戦がグループリーグ突破に向けた大一番となる。
個人的にはオリンピックでは欧州勢よりも中南米勢の方が強いイメージを持っている。先日スペイン代表と国際親善試合を行ったが、もしかしたらこの時のスペインより強いかもしれない。