2017年11月:日本代表ヨーロッパ遠征(2)

ブラジル戦

 試合は1対3で完敗。

 この試合はVAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)制度が試験的に導入された。VARについては以前から注目していたがいきなりこの制度が牙をむく。吉田選手がPA内でファールを取られブラジルにPKを献上した。このプレーは1度主審は流していたが、VAR判定の結果ブラジルにPKを与えることになった。このPKをネイマール選手が決めて先制点を奪われてしまうが、それ以上に主審が確認のため映像を確認に行く間はプレーが止まってしまうのはフットボールでは難しいと言わざるを得ない。しかもその瞬間でもなく選手のほとんどが抗議していない部分で、「ちょっと待った。確認します。プレーストップ」というのはフットボールに合わないのではないか。試合開始10分でまだどっちに流れがいくかわからない状況の中、VARがブラジルに流れを持っていったという印象を受けた。

 早い時間帯に先制されたので同点に追いつく可能性は高いが、攻撃の部分で前線の大迫選手のところでボールが収まらない。アジア最終予選では大迫選手のポストプレーから攻撃のスイッチが入ることがほとんどだったが、ここを抑えられてしまったため、日本は攻撃の形を作り出せなかった。

 2点目はクリアミスからの失点。左利きのマルセロ選手が利き足とは逆の右足で豪快なミドルシュートを決めた。これはシュートを打たせた時点でやられたと思った。

 完璧に崩されたのは3点目のジェズス選手のゴール。カウンターからの流れるような攻撃でフィニッシュまで持ち込む。この攻撃の形が日本にも出来たら、少しはW杯グループリーグ突破の可能性が出てくるのではないか…と考える。

 試合を通じて、個人的には酒井宏樹選手とネイマール選手のマッチアップは見応えがあった。ディフェンス陣は結果的に3失点はしたが、並びの4人は今回のスタメンがファーストチョイスになるだろう。

 一方、問題だったのは攻撃の方だ。コーナーキックから槙野選手のゴールで1点を返したが、セットプレーでしか得点の可能性がないならプレースキック精度の高い選手をスタメンで起用すべきだと考える。流れの中からの得点が期待できないのは問題だが、セットプレーから少しでも得点の可能性があるならそれも戦術の1つだろう。

 今回の様子だと、次のベルギー戦も守ってからのカウンターになるだろう。日本が強豪国と戦う上でベストな戦術だが、先制場合そこからどう点を取りに行くのか注目したい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です