サッカーU-24日本代表/東京五輪2020 グループリーグ第2戦/U-24メキシコ代表マッチレポート

マッチレポート

2戦目のメキシコ戦はグループリーグ突破に向けた大一番。
五輪世代は2012年ロンドン五輪では準決勝で1対3と敗れているし、フル代表は2013コンフェデレーションズカップのグループリーグ最終戦で1対2と敗れ、2020年11月に行われた海外遠征のためオーストリアで行われた国際親善試合でも0対2と敗れている苦手な相手だ。

個人的にはオリンピックでは欧州勢よりも中南米勢の方が強いイメージを持っていたので厳しい試合を予想していたが、選手たちは前半から前評判を覆してくれた。

試合の入りから日本の守備が機能して、メキシコが縦パスを入れても日本の寄せが早く攻撃の起点を作らせなかった。特にボランチの遠藤選手、センターバックの板倉選手がデュエルで負けなかったことが大きい。相手の攻撃の芽を素早く積むことでメキシコが機能不全となり上手く行っていないことは、メキシコ選手の表情からも一目瞭然だった。

攻撃も縦にシンプルだったのが良かったのかもしれない。前半6分、右サイドの酒井選手からグラウンダーのロングボールに堂安選手が抜け出し、ワンタッチでマイナス方向に折り返すと走り込んできた久保選手が左足で合わせて先制ゴールを決めた!!

早い時間帯でメキシコGKオチョア選手の牙城を崩す予想をしていなかったので興奮も冷めないまま、その5分後にPKで追加点を奪い、前半の早い時間帯で2点を先制し日本は気持ちの面で完全に優位に立った。全体的に南アフリカ戦より余分な力みが取れていて、中2日のでの試合だったが体のキレはあったと思う。やはり初戦の難しさがあったのだろう。

課題を上げるなら、2点リードして迎えた後半のボールキープと試合の終わらせ方。

ほぼ理想的な前半と比べると後半は徐々にパフォーマンスが落ちていった。中2日の過密日程、高温多湿の環境の中でスタミナの消耗は計り知れない。そういった苦しい時間帯にマイボールにしてボールをキープし、自分たちのリズムでプレー出来るようにすれば少しは楽になれるのだが、試合全体を見てもボール支配率は日本が41%、メキシコが59%と主導権は握られたままだった。

格上相手にマイボールに出来る時間は少ないことは、本大会前のU-24スペイン代表戦でも見られたこと。ただ陣形や人選を考えると、ボールを持たれてもそこから奪って攻撃に切り替えることができる選手が揃っているので、チーム戦術としてハマっている印象を受けている。

例えば、ボランチの田中選手を中心に意図的にペースを支配して自分たちの時間を90分間の内10分程度でも作れていけたら、格上相手でも互角に戦える試合が増えるのではないだろうか。

後半23分、メキシコの選手がレッドカードで退場となり数的優位となったことで、後半30分以降の戦い方に特に注目した。
「3点目を取りに行くのか、ブロックを作って相手の攻撃を跳ね返すのか」勝負どころで判断を間違えると2点リードはあってないようなものだ。

日本は後半34分に堂安選手に代えて三苫選手、林選手に代えて上田選手を投入した。ベンチの意図は明確だったが、三苫選手の選択したプレーに疑問が残った。

試合展開と残り時間を考えると、ドリブルで突破して相手ゴールに侵入するプレーより、サイドで張ってドリブルしながらボールをキープして
少しでも時間をかせぐことだと思ったのだが、ダメ押しの3点目を取りに行くようなプレーが目立った。

ゴールに繋がるまたはプレーが切れてゴールキックからリスタートになれば問題ないのだが、仕掛けてボールを奪われてカウンターを食らってしまったらピンチを招いただけだった。結果的に自陣近くでフリーキックを与えてしまい、これが1点差に詰め寄られるゴールとなってしまった。

また後半20分に相馬選手に代わって入った前田選手もプレーに精度を欠いていた。前線の選手がボールを追いかけて、パスコースを限定することで後ろは守りやすくなるのに、そういうプレーはあまり見られず、持ち味のスピードは活かせていなかった。

途中出場した選手が、スタートから出ている選手より走れていなくて、プレーでもインパクトを残すことが出来なかったことは、ベンチからの指示を含めて改善の必要があると考える。

マッチレビュー

U-24日本代表 2-1 U-24メキシコ代表

【得点者:日本代表】
前半 6分;久保建英
前半11分;堂安律(PK)

U-24代表スターティングイレブン

【フォーメーション:4-2-3-1】

()内は交代出場した選手
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        林大地
       (上田綺世)

  相馬勇紀  久保建英   堂安律
 (前田大然)        (三笘薫)

    田中碧    遠藤航

中山雄太 板倉滉 吉田麻也 酒井宏樹

        谷晃生

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ベンチメンバー

[GK]

1.大迫敬介(サンフレッチェ広島)

[DF]

13.旗手怜央(川崎フロンターレ)
15.橋岡大樹(シント・トロイデン/ベルギー)

[MF]

8.三好康児(アントワープ/ベルギー)
11.三笘薫 (川崎フロンターレ)

[FW]

9.前田大然(横浜F・マリノス)
18.上田綺世(鹿島アントラーズ)

日本代表スタッツ

ボール支配率 :41%
シュート数  : 7本
枠内シュート : 3本
パス成功率  :73%(295本)
オフサイド  : 2回
フリーキック :18本
コーナーキック: 3本

スタジアム/現地情報

スタジアム:埼玉スタジアム2002
天候   :晴れ
気温   :28.0℃
湿度   :74%

今後の日程

本大会(グループリーグ)

7月28日(水)U-24フランス代表

あとがき

2連勝で勝ち点6としたが、決勝トーナメント進出が決まったわけではない。グループリーグ最終戦、引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるが、相手はU-24フランス代表。

日本は2戦を終えて2勝、勝ち点6、得失点差2。フランスは2戦を終えて1勝1敗、勝ち点3、得失点差-2。
仮に日本が敗れたとして勝ち点差で並んでも、3点差以上の敗戦スコアにならなければ得失点差でフランスを上回れるので、優位な立場にはいる。

ただし、メキシコが南アフリカに引き分けまたは敗れてしまった場合、勝てば自力での突破が見えてくるフランスにすれば日本戦は間違いなく勝ちに来るだろう。グループリーグ最終戦は同時刻(7月29日20時30分)キックオフなので、他会場の結果も気になるところだ。

ABOUTこの記事をかいた人

FOOTBALL NOTE編集長。1983年6月13日生まれ。岡山県出身。フットボールをテーマにした読者の知的好奇心を刺激するコンテンツ作りに着手し「FOOTBALL NOTE」を立ち上げる。コンセプトは「世界のフットボール情報がここにある」※お問い合わせはコチラからどうぞ