初戦ホームで敗戦を喫した日本代表。同じく初戦を落としている中国代表との試合に挑むことになるのだがW杯出場権を獲得するためには勝利して勝ち点3を手に入れるしかない。
マッチレポート
猛暑のカタールを想像していたが、2022年のW杯に向けて整備された室内スタジアムで最適な気温と湿度の中でプレー出来ていたように思うので、そこまでアウェー感は無かったように見えた。
日本はオマーン戦よりか動きは良く、アタッキングサードからバイタルエリア付近でボールを動かしながら攻撃を仕掛けることが出来ていたので、そこまで悪い印象は持たなかった。コンディションと連携が合えばある程度プレー面で計算はできるが、内容には満足出来なかった。
攻撃陣ではスタメン出場となった古橋選手の動き出しが良かった。
斜めの動きから裏を狙うプレーは効果的で相手ディフェンダーにとっても脅威になっていたし、あとは裏に抜け出した瞬間にパスが通ればもっと良かったと思う。
日本代表にアンドレス・イニエスタ選手(ヴィッセル神戸)のようなパスを出せる選手が入れば前半の内にもう1点取れたはずだ。
一方、中国は5バックで引いて守ってのカウンター狙い。前線から激しいプレスをかけてくる場面も少なかったので、日本の守備陣にとってはイージーな展開だったと思う。というよりも中国が日本に対してリスペクトがあったから日本としてもゲームプランが組み立てやすかったと見ている。
また中国に帰化した選手がそこまで脅威に感じなかったのは間違いなく海外組が増えた良い影響だろう。フィジカルで当たり負けしたシーンも少なかったし、枠内シュート0に抑えれたことが1対0で勝利できた要因だと考える。
気になったのはベンチワークだ。後半31分に伊東選手に代えて鎌田選手を投入した意図が見えなかった。
1点リードで後半残り15分程度、ここから試合をどう終わらせるかによって選択するプレーは変わってくるのだが、ベンチからの指示は追加点を取りに行くことだったのだろうか?
この疑問は鎌田選手が仕掛けたときのプレーが中途半端だったから生まれた。ドリブルから仕掛けてはいるが、ゴールに向かっていないやや消極的なプレーや取られてはいけないところでボールロストをしたり上手く試合に入り込めていない感じもした。
後半43分に長友選手に代えて佐々木選手を投入したことで、パワープレーを跳ね返すために後ろを固めて守り切る、明確な意思を画面越しにも伝わったので1点リードのまま逃げ切る選択をしたのだと私は思ったが実際のところはどうなのだろうか。
マッチレビュー
日本代表 1-0 中国代表
【得点者】
前半40分;大迫勇也
日本代表スターティングイレブン
【フォーメーション:4-2-3-1】
()内は交代出場した選手
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大迫勇也
古橋亨梧 久保建英 伊東純也
(原口元気) (鎌田大地)
柴崎岳 遠藤航
長友佑都 冨安健洋 吉田麻也 室屋成
(佐々木翔)
権田修一
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【日本代表スタッツ】
ボール支配率 :63%
シュート数 :18本
枠内シュート : 3本
パス成功率 :83%(661本)
オフサイド : 2回
フリーキック :10本
コーナーキック: 6本
【スタジアム/現地情報】
※中立地開催[カタール/ドバイ]
スタジアム:ハリファインターナショナルスタジアム(室内)
観客数 :無観客
天候 :晴れ
気温 :22.6℃
湿度 :39%
招集メンバー
[GK]
1.川島永嗣(ストラスブール/フランス)
12.権田修一(清水エスパルス)
23.谷晃生(湘南ベルマーレ)
[DF]
5.長友佑都(無所属)
22.吉田麻也(サンプドリア/イタリア)
4.佐々木翔(サンフレッチェ広島)
20.昌子源 (ガンバ大阪)
21.山根視来(川崎フロンターレ)
3.室屋成 (ハノーファー/ドイツ2部)
2.植田直通(ニーム/フランス2部)
13.中山雄太(ズウォレ/オランダ)
16.冨安健洋(アーセナル/イングランド)
[MF]
8.原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)
7.柴崎岳 (レガネス/スペイン2部)
6.遠藤航 (シュトゥットガルト/ドイツ)
14.伊東純也(ゲンク/ベルギー)
9.鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
19.守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)
11.堂安律 (PSV/オランダ)
17.久保建英(マジョルカ/スペイン)
[FW]
10.オナイウ阿道(トゥールーズ/フランス2部)
15.大迫勇也(ヴィッセル神戸)
18.古橋亨梧(セルティック/スコットランド)
[追加招集]
昌子源(ガンバ大阪)
オナイウ阿道(トゥールーズ/フランス2部)
[離脱]
板倉滉 (シャルケ/ドイツ2部)
※怪我:右足付け根の違和感
酒井宏樹(浦和レッズ)
※休養:オーバーワークを配慮
南野拓実(リバプール/イングランド)
※怪我:左太腿部の違和感
あとがき
9月の代表戦は1勝1敗(勝ち点3)でなんとか踏みとどまった。オマーン、中国相手なら2連勝してスタートダッシュを決めてほしかったのが理想だ。
試合が終わった後、どっと疲れるように感じたのは点差通りの接戦だったのか、もう少し楽に見させてほしい期待だったのか。内容はともかく辛勝で勝ち点3は手にしたのだが、10月のサウジアラビア、オーストラリアの2試合に向けて不安しか残らなかった。
中国戦で大迫選手のゴールをアシストした伊東選手がイエローカード累積のため、次戦のサウジアラビア戦には出場出来なくなった。2列目の右サイドで存在感を発揮していたので代わりに起用される選手が誰になるのか気になるところだ。
サウジアラビア戦を前に所属クラブでのポジション争いが待っている。コンスタントに試合に出ていないと10月の大事な2試合に向けて招集も難しくなるだろう。それまでにコンディションを整えてほしいが、吉田選手と遠藤選手の疲労感が画面を通しても伝わってきて気が気でない。